【空から撮った鉄道】名だたる「余部鉄橋」と東京の「五反田駅」の足元は同じ!?これぞ“鉄骨の美学” 各地の「トレッスル橋」を空から愛でる

特徴的な鉄道橋梁の構造美を空から楽しむシリーズ、1回目は「トレッスル橋」です。山陰本線の余部橋梁(余部鉄橋)が有名でしたが、トレッスル橋は他にもいくつか存在。今回は北海道の廃線や東京都内の通勤路線、地震を乗り越えた近代土木遺産など、5本の橋を空から観察していきます。

この記事の目次

・廃線のトレッスル橋は、上下逆!

・都心延伸を夢見て生まれた通勤路線のトレッスル橋

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廃線のトレッスル橋は、上下逆?

 我が国の鉄道は数多(あまた)の橋梁(きょうりょう)によって線路が結ばれていますが、その形状は建設費用や設置場所の状況によって様々です。例えばトラス橋と一括りにしても、工法と形状はいくつも分類されており、構造を観察していても飽きません。

 また、鉄道橋梁には特殊な構造をしたものも散見されます。そこで、特徴的な鉄道橋梁を上空から観察します。橋梁の構造解説は専門的な文献に譲り、ここでは空から見た橋梁の構造美を楽しみます。

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JR仙山線の第二広瀬川橋梁を渡る仙台行きE721系。車両の大きさからトレッスル橋の高さが想像できる(吉永陽一撮影)

 今回はトレッスル橋です。日本の鉄道では少数派となる橋梁で、トレッスル橋の名称は通称となります。

 トレッスル(trestle)は英語で作業台の「架台」「うま」を意味します。「うま」のような形状の橋脚の天部に桁を載せる構造で、「トレッスル橋脚」と称します。桁は上路式プレートガーダーを用いることが一般的です。また、アメリカでは木橋のティンバートレッスル橋が多く架けられ、日本でも森林鉄道などでティンバートレッスルが用いられました。

 日本におけるトレッスル橋は、山陰本線の余部橋梁(1912年架橋、通称・余部鉄橋)が代表的な存在でした。赤い11基のトレッスル橋脚が日本海に面して並ぶ姿は壮観でしたが、一部を保存のうえ、2010年にコンクリート橋に架け替えられています。

 余部鉄橋が有名な存在だっただけに、トレッスル橋と聞くとすぐにその形状が思い浮かびますが、実際に鉄道で使用されているのは数えられるほど。私は現存する全てのトレッスル橋を空撮していませんが、北海道から九州まで、いくつか記録してきました。

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旧大夕張鉄道の旭沢橋梁は急なV字の谷に架かる。細いトレッスル橋脚に逆トラスという稀有な存在だ(2013年、吉永陽一撮影)

 まず、北海道は旧大夕張鉄道の廃線跡にある旭沢橋梁です。廃橋ですが、この橋梁は2014年に竣工したシューパロダムによって沈み、渇水時のみ出現します。シューパロダムが竣工するまでは旧国道の明石橋から観察できましたが、今となっては気軽に訪れられません。空撮は2013年9月に実施しました。

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旧大夕張鉄道の旭沢橋梁。斜光が当たり鉄骨が緑に映えて美しい。逆トラスの構造は補強のためだが、少々不思議な構造である(2013年、吉永陽一撮影)

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Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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