「本州最北端になるはずだった鉄道路線」なぜ幻に? 跡地に行ったら「あ、でも残り香あるわ」

大湊線の下北駅は「本州最北端の駅」として知られていますが、実は下北駅よりさらに北へ延び、下北半島の突端まで到達するはずだった幻の鉄道が存在しました。どういった経緯があったのでしょうか。

下北半島先端まで行く幻の鉄道

 本州最北端の駅として知られる大湊線の下北駅。終点は大湊駅ですが、経度的には下北駅が最北に位置しており、そのユニークさから鉄道ファンや観光客に人気があります。しかし、実は下北駅よりさらに北へ延び、下北半島の突端まで到達するはずだった幻の鉄道が存在しました。

Large 20250827 01
下風呂温泉にあるメモリアルロード。「大間線」の遺構として残ったアーチ橋を遊歩道として整備したもので、実際に開通した場合はこの場所を列車が走る予定だった(布留川 司撮影)。

 それが、マグロ漁業で有名な大間へ至る「大間線」です。

 1922年(大正11年)公布の改正鉄道敷設法には「青森県田名部ヨリ大畑ヲ経テ大間ニ至ル鉄道」と記され、2025年現在むつ市の一部となっている旧田名部町、大畑町を経て大間まで鉄道を敷設することが明記されました。これが「大間線」構想の始まりとされています。

 計画された路線は下北から大間まで49.7キロで、大畑以降は国道279号(むつはなますライン)とほぼ同じルートを通る予定でした。

 敷設が求められた最大の理由は、当時の交通事情の悪さです。大間町史には、当時の道路について「田名部から北へすぐの県道は県下の悪路として放置され、県道にあらず瞼道なりと酷評されていた」と記されており、冬には徒歩や馬ソリ以外に通行できない“陸の孤島”だったとされています。そのようなかで1916年(大正5年)に大湊線が開通すると、大間まで延伸を望む声が自然と高まっていきました。

 また「大間線」には住民の利便性だけでなく、軍事・交通インフラとしての役割も期待されました。津軽海峡に面した大間は軍事的要地で、大間崎砲台などの施設も建設されていたため、軍需輸送路としての意義が大きかったのです。さらに、大間から北海道への航路を設定し、鉄道と接続することで、青森~函館間の青函連絡船より短時間で東京から北海道へ移動できると期待されました。

【写真特集】これが「幻の本州最北鉄道路線」跡地の全貌です

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開