台風で甚大被害「八丈島」の現状、どうなってる? 今「島へ旅行」しても良いのか 現地は「ぜひ来てほしい、けど…」

2025年10月、2度にわたり台風が八丈島を直撃し、家屋倒壊や断水など大きな被害が発生しました。では、2025年11月時点の島の様子はどうなっているのでしょうか。今回、実際に現状を見てきました。

「万全の状態で楽しんでほしい」気持ちも

 2025年10月、2度にわたり台風が八丈島を直撃し、家屋倒壊や断水など大きな被害が発生しました。では、2025年11月時点の島の様子はどうなっているのでしょうか。今回は、ANA(全日空)グループで顧客マーケティングを担うANA Xのツアーを通じて現状を確認しました。

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2025年11月時点での八丈島の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 11月現在、島内のホテルや飲食店の多くは営業を再開しています。一方で、島の各所にはいまも倒木が残っており、とくに土砂崩れの大きな被害を受けた南東部・末吉地区では、土砂がそのまま残る場所も見られ、発酵したような独特の臭気が漂っていました。島の名物である温泉も、現状ではまだ再開に至っていません。

 八丈島空港のスタッフは現在の状況について、「お客様は戻ってきていて、釣りやダイビングの方もいらっしゃいます」と話しつつも、「私がよく行く飲食店の方は『コロナ禍みたいだ』と言っていました。夜は少し自粛ムードが残っています」と明かします。2026年1月末までのイベントにはキャンセルも出ており、普段であれば1か月先まで満席が続くような飲食店でも、ランチに1組しか来なかった日があったという声も聞かれました。

 一方で、島としての観光受け入れ姿勢は前向きです。スタッフは「ぜひ来ていただきたいという気持ちはもちろんあります。島の活性化のためにも、どんどん来てほしい」と強調します。そのうえで、「ただ、温泉などがまだ復旧していない状況で、『なんだこの島、残念だな』と思われてしまうのは悔しい。せっかくなら復活してから万全の状態で楽しんでいただきたい気持ちもあります」と複雑な胸中も語っていました。

 温泉や一部施設の復旧はこれからですが、八丈富士をはじめとする雄大な自然が生み出す絶景、名物「島寿司」をはじめとした島グルメ、釣りなどのアクティビティは健在です。完全とは言えないものの、現状でも十分に観光を楽しめる環境が整っているといえるでしょう。

 なおANAグループは、八丈島への観光需要を喚起するため、「ANAトラベラーズ ダイナミックパッケージ(航空券+宿泊)」および「ANAトラベラーズ ホテル(宿泊のみ)」を対象に、1人あたり最大1万5000円を割り引く「ANA八丈島クーポン」を配布する施策を展開しています。

【写真】凄惨…これが「末吉地区」の現状などです

Writer:

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

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