LCCより安い「ウルトラLCC」って何だ!? “安かろう悪かろう”なのか? 米大手は“1年で2回の破綻”

アメリカの超格安航空会社(ULCC)大手のスピリット航空が2025年8月29日、経営破綻しました。日本では耳慣れない「ULCC」とは、どのような業態なのでしょうか。

「最悪だった」との声もあるULCC、何が違う?

 このようにULCCは、LCCとも異なる存在としてアメリカでは位置付けられています。では、日本で運航しているピーチ・アビエーションとジェットスター・ジャパンのようなLCCと何が違うのでしょうか。

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ジェットブルー航空の旅客機エアバスA220(大塚圭一郎撮影)

 スピリットを筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)が最初に意識したのは、勤務先のニューヨーク支局駐在中の2014年にアメリカ中西部デトロイトの自動車展示会を取材したときのことでした。

 ある記者が「運賃が安いのでスピリットを予約したら最悪だった」とぶちまけ、「空港で航空券を発券したら10ドル取られ、機内に持ち込んだ手荷物も『制限を超えている』と言われて別料金を取られた。預け入れ荷物ではなく、手荷物で料金を取られたのは初めてだ」と嘆きました。しかも「乗った座席の足元も狭いし、背もたれも倒れなかった」とあきれかえっていました。

 このようなスピリットの課金方法こそ、極限まで切り詰めたULCCのビジネスモデルです。運賃はデルタ航空やユナイテッド航空、アメリカン航空の大手航空会社はもちろん、LCCよりおおむね安い分、「別料金」がいろいろかかります。

 航空券の発券が必要な場合には自宅などであらかじめ印刷し、手荷物はハンドバッグより大きなサイズを持ち込む場合には手荷物代金を支払い、通常は座席の前後間隔が約71cmで、約10cm広い座席を選ぶ場合には追加料金がかかります。

 これは多くのLCCもそうですが、飲み物も有料です。機材も絞り込んで効率化しており、スピリットは黄色い機体の小型旅客機エアバスA320シリーズを運航しています。

 中には「運賃が安かったのでフロンティアに飛びついたが、いろいろ払わされたら大手航空会社とさほど変わらなかった」と苦笑するアメリカ人もいました。

【え…!】これが「ウルトラLCC」の価格です!(写真)

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