大阪‐東京の夜移動に「サンライズ」サイコーだった! 東京行きだけが可能な“夜行バス代わり”の乗車テク

上り寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」は、下りは停車しない三ノ宮駅や大阪駅に停車するため、阪神圏→首都圏の夜行利用も可能です。実際に利用しました。

人気の「サンライズ」、本当に末端会社は「儲からない」のか?

 電気を消して横になると、寝入ってしまい、目覚めたときには、列車は神奈川県の茅ケ崎駅付近を走っていました。隣の車両のラウンジに行き、自動販売機で缶コーヒーを購入します。自動販売機のある列車が大きく減ったこともあり、今やこれも貴重な体験です。

 窓向き座席ですれ違う列車を眺めつつ、冷たいモーニングコーヒーというのは贅沢な時間です。

 本当に「あっという間」に7時8分、東京駅に到着。先頭車両では、記念撮影する親子連れの姿が多数見られました。他の列車では体験できない時間を過ごしたのか、本当に楽しそうな雰囲気でした。

 余談ですが「サンライズは末端区間のJR東日本やJR四国は運行距離が短いので、利益が少ない」とよくいわれています。この点については、誤解もあるようです。「きっぷを売った会社が総額の5%を発券手数料として受け取り、残りを各社の運行キロ数に比例して分配する」というルールがあるためです。

 例えば、JR四国の高松駅で「サンライズ瀬戸」の「シングルデラックス」を予約購入した場合、運賃+料金合計の2万8930円のうち、5%の1446円がまずJR四国に入り、残りの2万7484円を「JR東日本13%(3573円)、JR東海42.4%(1万1653円)、JR西日本39.1%(1万746円)、JR四国5.5%(1512円)」の割合で分配されていると考えられます。

 この場合、JR四国が得る金額は「1446+1512=2958円」ということになります。他のJRの窓口で同じきっぷを買うと、JR四国に入る金額は2万8930円の5.5%、つまり1591円ですから、ずいぶん変わってくるわけです。

 東京や横浜からの乗車が多い下り「サンライズ」も、JR東日本の窓口で予約した場合は、同様の計算となります。なお、インターネット予約「e5489」で予約し、東京駅のJR東海券売機で購入すれば「他のJR」扱いです。こうしてみると、末端区間のJRが一方的に利益を得られないということはないように思われます。

 1日でも長く走り続けてほしいと願うとともに、後継車両の登場にも期待したいものです。

【写真】サンライズ「最高級」寝台個室の中を見る

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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