東京イチ低い?「異様な鉄道ガード」をくぐってみた! でも「ここ、確かに使うわ…」
東京都内でも極めつけに低い「鉄道ガード」が多摩地区に存在。腰をかがまないと通れないばかりか、“トラップ”までありました。それでも確かに、このガードをくぐる人が少なくないようです。
「あれ通れるのかよ…」
「異様に低い鉄道ガード」が各地に存在します。東京都内のこうした低いガードでは、タクシーの「提灯殺し」の異名をとった港区の山手線ガード(高輪橋架道橋)などが有名でしたが、この高さは約170cmあり、全国的に見れば“高いほう”の部類かもしれません。ここは車両通行止めになりました。

東京都大田区には、Google Mapにて「東京都内でいちばん低い鉄道高架」という名のスポットで登録されていた東急池上線のガードがあります。こちらも高さは約1m50cmほどですが、23区外に目を向けると、極めつけに低いガードが存在します。
その高さは、現地で実際に測ると1mほどでした。
場所は府中市。西武多摩川線の白糸台-競艇場前間にあります。住宅街の中に幅2mくらいのガードが現れます。遠くから見ると、にわかに通り抜けられるとは信じがたい雰囲気です。
「頭上注意」などの注意喚起看板がガードに掲げられているのですが、その看板の高さは筆者の胸の下くらい。つまり、この下をくぐる人がいるからこその、注意喚起というわけです。
ガードの下は未舗装で、水はけが悪いのか、大きな水たまりがありました。ガード下の一方の端は擁壁、もう一方にはコンクリートの蓋が掛けられた水路が通っており、そこにうまく足をかければ水たまりは越えられそうですが、その部分の高さは50~60cmといったところ。
およそ通路とは思えない場所ですが、水たまりの傍らには、泥にしっかりと足跡がついていました。人の往来がある証拠です。
ここを通るワケがある
この橋のすぐ南側には都市計画道路が通っているものの、線路を越える陸橋となっているため、歩くには遠回りです(陸橋の歩道部と地上をつなぐ階段あり)。一方、北側に回り込むと急な坂道となっており、もっと遠回りになります。
「異様に低いガード」の前後は約550mに渡って陸橋以外で線路を横断できる場所がなく、ここは住民にとって絶妙な位置で線路を通り抜けられるルートなのです。
ガードの鉄骨には橋梁名「羽毛田堀開渠」と記されています。「開渠」ですから水路をまたぐための橋です。しかし、明治時代の古い地図では、ここが道のように描かれているほか、現在の国土地理院の地図でも道がつながっているような描かれ方になっています。
ちなみに、この北側には1970年代に開設された中学校があります。古い地図では、中学校ができる以前、そちら側でも線路を横断する道があったように描かれているものの、現在は線路東側で道路が途切れています。
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