米国が“他国製”砕氷船を導入へ! 北極圏でロシア・中国との競争激化 最大11隻調達

アメリカ大統領府は2025年10月9日、フィンランドから最大4隻の砕氷船を購入すると発表しました。

沿岸警備隊の極地監視能力を強化へ

 アメリカ大統領府は2025年10月9日、フィンランドから最大4隻の砕氷船を購入すると発表しました。

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2025年現在、アメリカ沿岸警備隊が主に極地任務に使っているのは1976年に就役した老朽船である「ポーラー・スター」(画像:アメリカ沿岸警備隊)

 すでにドナルド・トランプ大統領は、フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領と会談しており、海外建造を認可する大統領覚書には、4隻の購入に加え、さらに7隻をフィンランドの技術を活用してアメリカ国内で建造する計画も盛り込まれています。

 アメリカ政府はこれらの船を「北極安全保障カッター(Arctic Security Cutters:ASC)」と呼んでおり、北極地域における緊急の国家安全保障上の必要性に対応するために購入が決定されました。建造された砕氷船は、アメリカ沿岸警備隊に配備される予定です。

 現在、沿岸警備隊が運用している極地対応可能な砕氷船はわずか2隻しかありません。しかも、1976年に就役した「ポーラー・スター」は老朽化が進んでおり、頻繁な点検を要する状態にあります。もう1隻は、民間から9月に沿岸警備隊に編入されたばかりの船です。

 北極圏では近年、ロシアや中国との戦略的競争が激化しており、軍事的示威行動や経済的侵略に対応するためにも、極地対応艦の建造が急務となっています。ASCは中型砕氷船に分類されますが、これとは別に、大型砕氷船である「極地保安カッター(Polar Security Cutter:PSC)」の建造も進行中で、こちらは実に50年ぶりにアメリカ国内で建造される大型砕氷船となる見通しです。

 なお、トランプ大統領は今回の合意について、「大部分を共同で建造する」と説明しています。

【新型砕氷船!?】これが、沿岸警備隊に新型砕氷船の一案です(画像)

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