新しい駅はどんな姿に? 銀座線を一部運休、過去最大の渋谷駅移設工事始まる
東京メトロ銀座線で一部区間を運休させ、渋谷駅付近の線路を切り替える工事が始まりました。これにより、未来の銀座線渋谷駅は大きく変わります。また渋谷駅付近の工事によって、離れた赤坂見附駅付近も運休する理由はどこにあるのでしょうか。
計4日間、一部区間で終日運休
東京メトロが2016年11月5日(土)、銀座線の一部区間を終日運休し、渋谷駅付近で線路を切り替える工事を開始しました。
浅草駅と渋谷駅を結ぶ銀座線。その渋谷駅で現在進められているリニューアルにともなうもので、将来的に銀座線の渋谷駅は、現在地の東急百貨店3階から東の表参道駅方面へ約130m、明治通り上空に移設されます。この工事は2009(平成21)年1月から行われていますが、東京メトロによると、列車を運休して行う大規模なものは今回が初で、銀座線を工事で止めるのも初だそうです。
このたびの線路切り替え工事は、その明治通り上空に銀座線ホームを設けるスペースを確保するため、実施されました。大型クレーンを用いた橋りょうの架け替え、レールの搬入などが行われます。
この工事にともない、銀座線は11月5日(土)と6日(日)、19日(土)と20日(日)の計4日間、一部区間が終日運休します。列車の運行は、溜池山王~浅草間は日中およそ3分間隔と通常同様ですが、表参道~青山一丁目間は日中およそ12分間隔になり、渋谷~表参道間、青山一丁目~溜池山王間で銀座線の列車は走りません。振り替え輸送は都営地下鉄線やJR線、東急線などで実施。また11月5日と19日の6時から15時までは、明治通りの外回りで車線規制も行われます。
東京メトロによると、運休の影響は1日30万人におよぶと見込んでいるとのこと。また今回の工事は、ハロウィーンやプロ野球の日本シリーズなどと重なることのないよう、この時期に行うことにしたそうです。
渋谷の工事で、渋谷と離れた場所が運休になるワケ
工事が渋谷駅付近で行われながら、運休が渋谷駅付近に留まらないことには理由があります。
東京メトロによると、表参道駅には折り返し設備がなく、表参道~浅草間の運転にすると運行本数が確保できないためといいます。
表参道駅で折り返しにした場合、たとえば浅草駅から表参道駅へ向かった列車は、表参道駅に到着後、折り返し浅草方面行きの線路に入りたいところですが、それができる構造に線路がなっていません。
そのため表参道駅に到着した列車は、浅草方面行きの線路に入れる溜池山王駅まで、走ってきた渋谷方面行きの線路を戻る必要があります。つまり表参道駅折り返しにすると、表参道~溜池山王間で渋谷方面行きと浅草方面行き、計2本ある線路のうち片方しか使えない「単線運転」になることなどから、運行本数が大幅に減ってしまう、というわけです。設備のある溜池山王駅折り返しだと、溜池山王~浅草間で通常と同等の運行ができます。
ただ溜池山王駅折り返しだけにすると、他路線と接続しない外苑前駅だけはまったく列車が来なくなること、工事当日に外苑前駅付近の明治神宮野球場や秩父宮ラグビー場でイベントが開催されることから、合わせて表参道~外苑前~青山一丁目間で列車が運行されます。
表参道~青山一丁目間では、渋谷方面行き、浅草方面行きの線路それぞれに電車1編成ずつを投入。それぞれの線路を、それぞれの電車編成が行ったり来たりする形で列車が走ります。そのため同区間では、浅草方面行きの線路を渋谷方面に向かって列車が走るという珍しい光景が見られました。
未来の銀座線渋谷駅はこうなる!
現在の銀座線渋谷駅は1938(昭和13)年12月に開業。1日平均で21万6687人(2015年度)の乗降人員がありますが、開業以来、駅の大きな改修は行われておらず、「幅の狭いホームやわかりにくい通路、上下の移動が多い構造でありながらそのほとんどが階段、東京メトロで唯一トイレの無い駅であるなど、安全、サービスの面で大きな課題を抱えています」(東京メトロ)とのこと。
その状況を改善するため、東京メトロはこのたび渋谷駅周辺の再開発事業と連携して、銀座線の渋谷駅をリニューアルすることにしたといいます。
いま、東急百貨店の3階にある銀座線渋谷駅は、これによって表参道駅側へ約130m、渋谷駅の東口広場や明治通りの上部にあたる、JR線と「渋谷ヒカリエ」のあいだに移動。JR線や副都心線、東急東横線との乗り換え利便性が向上する見込みです。
また、ホームは現在の「乗車用」「降車用」という使い方ではなく、発着とも同じホームになって分かりやすくなるほか、ホーム幅の拡大による混雑緩和、ホームドア設置による安全性の向上も実現する予定。総工費は約290億円で、完了は2021年度が計画されています。
この渋谷駅移設にともなう銀座線を運休しての工事は、今回の2016年11月における4日間ほか、今後3回行われる見込みです。
【了】
まぁ、こんな事をしても西東京地域(多摩地区)の衰退は避けられないと思う。
既に渋谷駅は東急と地下鉄の乗換駅の機能のみに成り下がった上に、2015年度のJRの利用状況を見ても品川駅にいつ抜かされる始末。
第一、西東京地域(多摩地区)は東京ブランドに縋っている限り、衰退は避けられないし首都圏でもこの地域は一番最初に人口が減っている。
現に埼玉の浦和や武蔵浦和駅だと図書館が遅くまで営業しているし、浦和駅は和菓子屋さん等が豊富で渋谷では楽しめない物が多くて飽きない。(図書館に関しては神奈川県にも言える。)
渋谷にはこれと言って楽しめる場所がなく、地下深いから利用者は嫌がるのです。
小田急からなら千代田線表参道経由で東京都心に行けるから井の頭線自体が無用な長物になっているし。