谷底まで200mの橋、建設で最も怖いのは「住民」 開発と環境の両立、スイス流の答えとは

スイスで行われている道路橋の建設、そこで最も恐れられたのは「住民」の存在でした。背景にあるのは、「レファレンダム」に代表されるスイスの直接民主主義。「開発」と「環境」の両立という日本も抱えている課題、それに対する「スイス流の答え」が、この道路橋の建設に見えました。

「住民からのNO」を避けるため、行われたこと

「タミナ橋」建設にあたって、どう「住民からのNO」を避けたのか、プロジェクトマネジャーのナルドネさんは「最初から自然保護団体と関係を作って、計画を進めていきました」と話します。

 スイスでは工事で森を切り開くなどした場合、法律で同じ面積を緑化(自然化)する義務があります。「タミナ橋」の工事では、その開通で不要になる旧道を自然に戻すとのこと。ただ、すぐにアスファルトをはがすとコストを要するうえ、エネルギーも消費するため、しばらく旧道を遊歩道として使ったのち、アスファルトが劣化した時点で工事が行われる予定です。

Large 20161113 01
「タミナ橋」のプロジェクトマネジャー、ジャン・ルイ・ナルドネさん(2016年8月、恵 知仁撮影)。

 ただそれでも、工事に反対する人はいたといいます。理由は建設費で、それを出すのは州政府。「タミナ橋」は周辺住民が多くないため、特にほかの地域から反対が出たのです。

「タミナ橋」の建設理由は、この地域が地滑り地帯で対策費が毎年、地元自治体の大きな負担になっていたこと、崩落で道路が不通になると、通学や、地域にあるスイスの有名リハビリ施設に影響が出ることから、それを解決しようというものです。

「リハビリ施設の移転には2億スイスフラン(約216億円)が必要ですが、橋は関連道路などを含めて5600万(約60.5億円)と最も低コストです。そして橋は100年持ちます」(「タミナ橋」プロジェクトマネジャー、ナルドネさん)

 そうした情報公開などの結果、投票にかけられるほど、「タミナ橋反対」の署名は集まりませんでした。スイスでは、いつのまにか道路ができているようなことは無いといいます。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  4. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス