谷底まで200mの橋、建設で最も怖いのは「住民」 開発と環境の両立、スイス流の答えとは

スイスで行われている道路橋の建設、そこで最も恐れられたのは「住民」の存在でした。背景にあるのは、「レファレンダム」に代表されるスイスの直接民主主義。「開発」と「環境」の両立という日本も抱えている課題、それに対する「スイス流の答え」が、この道路橋の建設に見えました。

自己主張が強いものは排除

 自然保護団体と当初から関係を築きながら進めることについて、現在、大規模改修を行っているスイス中部の「ビュルゲンシュトック・レイク・リゾート」の広報マネジャー、ラファエル・アムレインさんは次のように話します。

「大規模改修について反対意見はありましたが、最初から関係団体と話をしながら進めてきました。そして『持続可能なものを作る』ということ、雇用の確保に繋がることから、受け入れてもらうことができました」

「持続可能(な開発)」とは、「環境」と「開発」を反するものではなく共存しうるものととらえ、環境保全を考慮した節度ある開発が重要とする考え。スイスでは「持続可能」が大きなキーワードになっており、そうした「人」と「自然」の両立を図る「スイス流のやり方」が、土木工事からもうかがえます。ちなみに「ビュルゲンシュトック・レイク・リゾート」には、女優オードリー・ヘップバーンが結婚式を挙げたチャペルがあります。

Large 20161113 01
スイス最長、ヨーロッパ最長級という建設中の「タミナ橋」(2016年8月、恵 知仁撮影)。

 また、スイス土木建築協会のダニエル・マイヤー副会長は、次のように話します。

「スイス人は地形的なこともあって土木へ高い注目があり、橋やトンネルは非常に重要です。そして『環境にフィットしたものを作らねばならない』という価値観があり、点と点を結ぶだけではなく、『環境の一部』として作ります。そのため、同じ橋はふたつと無いはずです」

「タミナ橋」のプロジェクトマネジャー、ナルドネさんも、その橋のデザインコンペにおいて、自己主張の強いものは排除し「調和」を重視したとのこと。選ばれたデザインは、橋の柱の角度が谷の角度に合わせられているそうです。

 この「タミナ橋」は、2017年の開通が予定されています。

●取材協力:在日スイス大使館

【了】

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  4. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス