いよいよ日本も「無人機の“大量導入”」へ その機体とは? 将来は“戦闘ヘリ全廃”
中谷 元防衛大臣がトルコを訪問し、無人機メーカーのバイカルを視察しました。政府がいよいよ無人機の大量導入に乗り出す序章となる可能性があります。他方、他国の競合製品のテストも国内で進められています。
「無人機大国」トルコを防衛相が訪問 本格導入の序章か?
日本がいよいよ防衛装備としてのUAS(無人航空機システム)を本格的に導入するのでしょうか。中谷 元防衛大臣が2025年8月19日、トルコを訪問し、同国のヤシャル・ギュレル国防相と会談を行いました。日本の防衛大臣がトルコを訪問するのは、今回が初となります。

会談で両大臣は、自衛隊とトルコ軍の部隊間交流を含めた、両国間の防衛協力のさらなる拡充で合意したほか、両国の防衛産業における交流の実現に向けた議論を加速することでも一致しています。ギュレル国防相との会談を終えた中谷防衛大臣は、8月20日にUASメーカーであるバイカルの視察を行っています。
8月12日付の東京新聞など複数のメディアは、政府が2026(令和8)年度の防衛予算の概算要求に、防衛用UASの大量調達へ向けて1000億円以上を計上する方向で調整に入ったと報じています。同日付の共同通信など複数のメディアは、大量調達される複数のUASの中に、バイカルが開発した「バイラクタルTB2S」が含まれているとしています。
防衛省は2023(令和5)年度防衛予算の概算要求で、平時における隙のない警戒監視体制の構築と、陸海空の無人装備品(アセット)の早期導入と実用化を目指す「無人アセット防衛能力」という概念を発表しました。これは、「総合ミサイル防衛」や「スタンド・オフ防衛能力」などによる抑止が機能せず、万が一敵の侵攻を受けた際、自衛隊の人的損耗を抑えつつ、無人アセットを活用した非対称な戦い方により敵の侵攻を阻止・排除するというものです。
2022年末に発表された防衛力整備計画では、無人アセット防衛能力整備の一環として、現在陸上自衛隊でISR(情報収集・警戒監視・偵察)任務を行っているOH-1観測ヘリコプターと、地上部隊の近接航空支援を担当しているAH-1S対戦車ヘリコプター、AH-64D戦闘ヘリコプターを段階的に全廃し、その任務を「多用途無人機」と呼ばれるUASに継承させる方針も打ち出しています。
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