「あれ? 日本っぽいぞ」 東京クラスの巨大都市にできた「初の地下鉄」既視感のワケは? でもマナーには厳しい!

ベトナム初の地下鉄「メトロ1号線(サイゴン線)」がホーチミン市で開業してから間もなく1年。日本の全面支援で完成した地下鉄は、いまや地元の人々にとって憧れの「映えスポット」となっています。

車両は日立、訓練は東京メトロの「オール・ジャパン」

 メトロ1号線は日本の全面支援で完成し、総事業費約2700億円のほぼ全ては、日本のODA(政府開発援助)で賄われました。日本のJICA(国際協力機構)を筆頭に、住友商事、三井住友建設、清水建設、日立製作所(車両)、東京メトロ(訓練)などが参画、まさに「オール・ジャパン」です。

 計画は2007年に本格始動し、当初は2015年の開業を目指しましたが、官僚主義的な手続きの煩雑さや土地収用の遅れ、コロナ禍などが重なり完成は大幅にずれ込み、10年遅れの2024年開業となりました。

 1号線はホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)が保有し、実際の運営は準公営企業のホーチミン・メトロ1号線有限会社(HURC1)が担当しています。軌間は標準軌(1435mm)で、日本だと新幹線や京成電鉄、京急電鉄、都営浅草線、関西私鉄の大半などと同規格です。

 オール・ジャパンで臨んだためか、駅構内のレイアウトや案内表示板、自動改札機、床面の黄色い点字ブロック、さらには電車の内装に至るまで、全体の雰囲気が「日本風」です。

 高架駅などは、東京圏や大阪圏の私鉄の郊外駅と錯覚しそうな雰囲気です。全駅にホームドアが完備され、地下駅では全て閉鎖式(フルスクリーン・ホームドア)を採用しています。

 電車は、銀色に青いラインが1本横に入るすっきりしたデザインが基調で、最高速度80km/hを発揮します。独立80周年と、ベトナム戦争終結50周年を祝し、真紅を配した派手なラッピングを施した車両も走っています。

【どこか日本風】「映えスポット化」しているメトロ1号線(写真)

最新記事

コメント