「横断歩道で車が止まってくれる率」過去最高56.7%に←よく今まで事故起きなかったね… JAF調査から見える「歩行者の自衛/運転者の怠惰」
歩行者が横断歩道を渡ろうとしている時、クルマは一時停止するのでしょうか。JAFの全国調査で、停止する車両の割合が過去最高を記録しましたが、依然として約4割は止まらない実態が明らかになりました。
事故が起きないのは歩行者が注意しているから?
信号機に従って停車するのは当たり前ですが、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている時、クルマは一時停止して歩行者を優先するのでしょうか。JAF(日本自動車連盟)が調査結果を2025年10月30日に発表しました。
横断歩道は歩行者優先です。車両が歩行者の横断を妨害する行為は、自転車であっても道路交通法違反です。それにも関わらず、横断中の歩行者事故は、65歳以下で20%、65歳以上で25%を占めます(2024年・警察庁交通事故分析)。横断歩道の直前には、設置を予告するひし形の道路標示もあり、うっかり見落とすことが許されないポイントです。
今回の調査結果を、JAFは次のようにコメントしています。
「調査は、全国の信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両6226台を対象に実施しまました。その結果、歩行者が横断しようとしている場面で一時停止した車両は3528台(56.7%)で、過去最高の停止率を記録しました」
長年、JAFの調査を追いかけてきた識者の評価も高いです。
「2016年に調査が始まった時、横断歩道で一時停止したクルマは全国平均で“7.6%”だった。それと比較すると、10年ほどで過半数が止まる結果は、目覚ましい進歩だ。JAFの調査の結果が低かったことを受け、大々的なキャンペーンを展開して数値を引き上げた県もあり、調査結果が周知につながっているだろう」
その一方で、JAFは「まだ4割以上が止まらない」と、結果を決して喜んではいません。前出の識者も「歩行者優先は“マナー”ではなくて“ルール”だ」と指摘します。
歩車分離が進んでいない日本は、先進国の中で突出して“歩行中”の死亡事故割合が多いです。その反面、“運転中”の死亡事故の割合は状態別で常に最少です。
この結果からわかることは、信号機のない横断歩道で一時停止しなくても事故が起きないのは、運転者が配慮しているからではなく、歩行者が車両に注意を向けているからだと考えられます。注意を怠った約半数の歩行者が事故に遭いやすいとも言えます。
※一部修正しました(11/4)





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間違ってますよ。停止率の最低は、山口県(34.3%)ですよ。