JALグループLCCの「直行旅客便としては史上初」の衝撃新路線、もし定期便化なら? 「歴史が変わる」多くのメリットとは
JALグループの「ZIPAIR」が成田~オーランド線の直行チャーター便の運航を決定しました。もしこの路線が定期便化されれば、旅行者にとっては多くのメリットが期待できそうです。
20時間から13時間へ
JAL(日本航空)グループの国際線LCC(格安航空会社)であるZIPAIRが、2026年2月末から3月上旬にかけて、成田~オーランド(アメリカ・フロリダ州)線の直行チャーター(貸切)便を運航すると発表しました。日本からオーランドへの直行旅客便は、これが初めてとなります。同社の西田真吾社長は、定期便化の可能性について「今回のオペレーションが確立できれば、定期便の検討に入ると思います」とコメントしています。
もしこの路線が定期便化されれば、旅行者にとっては多くのメリットが期待できそうです。
ZIPAIRは2020年にアジア方面から定期便の運航を開始し、2021年には「初めて太平洋を渡るLCC」というキャッチコピーとともに成田~ロサンゼルス線を開設。2025年現在、アメリカ方面ではホノルル、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンノゼ、カナダ・バンクーバー、さらに北米南部のヒューストン(テキサス州)線にまでネットワークを広げています。
同社は、これまでフルサービスキャリア(FSC)しか選択肢のなかった日本~米本土線に、LCC水準の手頃な運賃設定で参入。また、FSCで一般的に運賃とは別に徴収される燃油代「燃油サーチャージ」を不要としている点も大きな特徴です。
オーランド空港の担当者は、このチャーター便の運航について「東京とオーランド、その両地域、そして両大陸にとって歴史的な節目だ」とコメント。オーランド空港はフロリダ州で最も利用客数が多く、全米でも9番目の規模を誇る国際空港です。
日本人にとってオーランドは、世界最大級のディズニーリゾート「フロリダ・ウォルト・ディズニー・ワールド」への空の玄関口として知られています。今回の直行便により、オーランドまでの所要時間は従来の約20時間から約13時間に短縮される見込みです。また、在マイアミ日本国総領事館によると、フロリダ州のGDPはオーストラリア1カ国と並ぶ規模で、金融・航空宇宙・ヘルスケアなどの分野でビジネス需要の拡大が期待されています。
運賃はまだ発表されていませんが、距離的に最も近い成田~ヒューストン線の運賃が5万5250円から(エコノミークラス「スタンダードバリュー」の場合)であることから、オーランド線もこれに近い価格帯になると見られます。円安で海外旅行のハードルが上がるなか、旅行者にとっては「破格の移動費で本場ディズニーを楽しむ」チャンスとなるでしょう。
さらにZIPAIRの強みは、「LCC=快適性を犠牲にする」という常識を覆している点です。上位クラスには他社のビジネスクラスと同等水準の「ZIPフルフラット」を設定。エコノミークラス「スタンダード」でも、シートピッチ約79cm、幅約43cmと、LCCとしてはかなりゆとりのある設計で、感覚的にはフルサービスキャリアの国内線仕様機とほぼ同等の広さがあります。




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