日本の「改もがみ型」護衛艦、“第三国”も導入か!? オーストラリアだけで終わらない“必然” ただし壁も
日本のもがみ型護衛艦をベースに、オーストラリアが日本と共同開発する新型フリゲートが、早くもニュージーランドへ“輸出”の可能性が出てきています。その流れは歴史的経緯からして必然ともいえるものです。
NZが狙う海自「もがみ型」ベースの新型艦
2025年11月2日、小泉進次郎防衛大臣とニュージーランドのジュディス・コリンズ国防大臣が、マレーシアのクアラルンプールで会談。小泉防衛相はニュージーランド海軍が現在運用しているフリゲートを更新する意向を示していることを確認し、両大臣が今後も緊密な意思疎通を行っていくことで合意したと発表しました。
防衛省は明言していませんが、これは海上自衛隊が運用している、もがみ型護衛艦の能力拡張型「令和6年度護衛艦」をベースに日本とオーストラリアが共同開発する新型フリゲートで、ニュージーランドのフリゲートを更新する意向を、コリンズ国防相が示したことを意味しています。同フリゲートについては現在、日本とオーストラリアの間で価格交渉が進められています。
ニュージーランド海軍で司令官を務めるガーリン・ゴールディング海軍少将は10月20日に防衛省を訪問し、中谷 元・前防衛大臣と会談を行っています。防衛省は会談の内容を発表していませんが、同日付の共同通信はゴールディング海軍少将が、日本とオーストラリアが共同開発する新型フリゲートをニュージーランド海軍に導入する意向を示し、中谷前防衛相は謝意を示したと報じています。
ニュージーランド政府が日豪共同開発のフリゲートを導入する意向を示したのは、当然のことながら理由があります。このフリゲートで更新される予定なのはオーストラリア海軍のアンザック級フリゲートですが、ニュージーランド海軍は同型艦であるテ・カハ級フリゲートを運用しているためです。
アンザック級およびテ・カハ級は、ともにドイツの造船企業であるブローム・ウント・フォスが開発した「MEKO200」フリゲートをベースに開発されています。
ちなみにブローム・ウント・フォスは現在、アンザック級フリゲート後継の座を巡って三菱重工業と争ったドイツの造船企業であるティッセンクルップ・マリーン・システムズの子会社です。アンザック級の後継商戦でドイツが有利と見られていた理由の一つは、ここにあります。





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