「ホノルル行き旅客便」、なぜ”夜出発”ばっかり? 実は超合理的&「利用者も航空会社も双方良し」の納得のメリットとは

日本からハワイへ向かう飛行機は、なぜか夜出発する便がほとんどです。これには単に乗客の都合だけでなく、航空会社の経営戦略や空港の「夜の壁」など、さまざまな理由が複雑に絡み合っていました。その合理的な仕組みとは、いったいどのようなものでしょうか。

乗客メリット:「1日得する」時差マジック

 日本からハワイ・ホノルルへのフライトは、成田、羽田、関西空港などを20時~22時ごろに出発し、現地には同日の朝8時~10時ごろに到着するパターンが主流です。この「夜出発・朝着」スケジュールが定着している背景は、どのようなものがあるのでしょうか。

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成田空港を出発するANAのA380「フライングホヌ」。この機体は成田~ホノルル線の専用機として運用されている(乗りものニュース編集部撮影)。

 ハワイは日本よりマイナス19時間の時差があります。この大きな時差のため、夜に日本を出発すると、おおむね7時間から7時間半のフライトを経て日付変更線を越え、出発した日と同じ日の朝に到着できます。

 これにより、旅行者は出発日の仕事を終えてから空港へ向かい、機内で一晩過ごすことで、到着初日の朝から時間を有効に使えます。まさに「1日得した」ような感覚で、限られた休暇を最大限に活用できるというメリットがあるわけです。

 また、夜間フライトは自然な睡眠を取りやすく、到着後に太陽光を浴びて活動することで体内時計をリセットしやすく、時差ボケを抑える効果も期待できるでしょう。

 しかし、乗客のメリット以上に、この深夜便ダイヤを決定づけているのが、航空会社の経営戦略、特に「機材繰り」と呼ばれる航空機の運用計画です。

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