ボーイング「2年ぶりに最新鋭機を国際舞台で見せます」狙いは? ANAも発注の「新・世界最長ボディの旅客機」など
ボーイングが、約2年ぶりに自国以外で、同社が開発を進めている旅客機「777-9」「737MAX」の社有テスト機を披露します。どういった狙いがあるのでしょうか。
2023年以来
2025年11月に、アメリカの大手旅客機メーカーのボーイングが、約2年ぶりにアメリカ以外で、同社が開発を進めている旅客機「777-9」ならびに最新鋭単通路旅客機「737MAX」の社有テスト機を披露します。社有テスト機の披露は海外へ向けて大きなアピールとなるものの、ボーイングは2023年以降 “ある理由”からこれを控えていたため、今回はそれを解禁したことになります。
ボーイングやエアバスのような大手航空機メーカーは、自国以外の国々で機会があれば、各種の飛行テストに用いる社有機を展示し、デモ飛行を行うのがアピールへの近道でした。これをすることで、見物客やマスコミに試験の進み具合や性能をアピールするのです。そして、今回、ボーイングは777-9と737MAXを17日からアラブ首長国連邦(UAE)で開かれる「ドバイ航空ショー」で展示します。
777-9は「ボーイング777」をベースにサイズアップなどを図りながら、コックピットや客室を最新仕様にし、新設計の主翼を採用するなどアップデートを加えた「777X」シリーズの一つです。ちなみに、実用化されれば全長は旅客機としては史上最長の76.7mに。さらに将来はANA(全日空)でも導入が予定されています。
一方で、737MAXは2016年に初飛行した、ロングセラー機737シリーズの最新モデルです。大型で効率の良いエンジンの採用や操縦システムの改修などが加えられており、騒音抑制のためエンジンカバー後部がギザギザになった機構「シェブロンノズル」が外観上の特徴です。国内航空会社でも、ANA、JAL(日本航空)、およびスカイマークが同シリーズの導入を決定しています。
ボーイングは2023年6月に開催されたパリ航空ショーまでは777-9と737MAXを持ち込み、同じ年の11月のドバイ航空ショーは777-9の展示飛行を繰り広げました。しかし、737MAXは、2024年1月にアメリカのアラスカ航空で運用されていた機体でドアプラグの吹き飛ぶ事故が起きたことなどから海外展示を控えるようになり、777-9も飛行試験の一時中断などもあったことから海外へ姿を見せることはありませんでした。
では、このタイミングでボーイングが社有機の展示を“解除”した理由はなんなのでしょうか。元々777-9は2013年のドバイ航空ショーで開発が発表されましたが、少なくとも“誕生の地で復活”というわけではなさそうです。





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