「場の空気が一変!!」約600人のルーキー乗せたベテラン自衛艦の帰国行事 寒風吹く中で見つけた“ほっこり”とは?

2025年11月12日、海上自衛隊横須賀基地で開催された、令和7年度の遠洋練習航海部隊の帰国行事を取材してきました。防衛副大臣も列席のうえ実施された式典は、さまざまな空気感が流れていました。

防衛副大臣の登場で場の空気が一変!

 歓談タイムが終わって隊員たちが整列を始めると、次々と偉い人の車が到着。さっきとは打って変わってピリリとした空気が張り詰めます。送迎車はてっきり黒塗りの高級車ばかりかと思いきや、意外とカラフルでした。地元議員などは後援会のクルマで来ることも多いらしく、最近は「いかにも偉い人の車」みたいなのは減っているそうです。そんな時代かあ…としんみりしていたら、突然どこからか爆音が。

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今回の遠洋練習航海にはタイ海軍の士官候補生も乗り込んでいた。中央の金ボタン8つの制服を纏っているのが当人(乗りものニュース編集部撮影)。

 顔をあげると「かしま」のマストの向こうからヘリが近づいてくるじゃないですか。防衛副大臣はヘリで来場。いやはや、格が違いました。余談ですが、ヘリが来るときは消防車と救急車が待機しているので、イベントの時にヘリがくるかどうかはそれで判断できます。

 こうして宮崎防衛副大臣や齋藤海上幕僚長、国会議員や市議会議員など、お歴々のみなさんが揃ったら式典がスタートします。

 儀仗隊の栄誉礼や祝辞が続き、さっきまで寒さに負けそうだった初任幹部たちが一気に凛々しい表情に変わる瞬間が印象的でした。この若さで過酷な訓練と長い航海を乗り越えてきたんだと思うと、どうしても親目線になってしまって、ちょっと涙腺が刺激されます。

 式典は約30分で終了し、宮崎副大臣は再びヘリで退場。家族が見送られたあと、艦に戻っていた隊員たちの帽振れが行われ、音楽隊の演奏する「軍艦」が岸壁に響きました。幹部たちは艦に一礼しながら退艦し、ここからはそれぞれ日本各地の部隊へ。広報の人によると次の赴任地は航海中のハワイ付近で発表されたそうで、遠くの部隊に決まった人は帰国したその足で、再び長距離移動となるのだとか。やこさんも異動のたびにバタバタしてますが、帰国行事もいわば人事異動なのでやっぱり慌ただしいんですね。

 学校では厳しさに揉まれ、練習航海では荒波に揉まれ、大変なスタートを切った約580名の若い幹部たち。海の上で鍛えられた強さと優しさを胸に、これからの活躍を心から応援しています!

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Writer:

漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。

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