日本初の推進装置! 次世代高速船「リニアジェット」まもなく就航 “燃費激変”の新技術とは?

伊予鉄グループの石崎汽船は2025年12月19日より、国内初導入となる次世代型高速船「リニアジェット」を、松山観光港~呉・広島間に就航させます。

高速性能を維持しつつ、燃費改善と乗り心地の向上まで

 伊予鉄グループの石崎汽船(愛媛県松山市)はこのたび、国内初導入となる次世代型高速船「リニアジェット」を、2025年12月19日(金)より松山観光港~呉・広島間に就航させると発表しました。

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石崎汽船の次世代型高速船「リニアジェット」。「SeaMAX」の名で12月19日より松山観光港~呉・広島間で就航予定(画像:石崎汽船)。

 船名は、かつて松山観光港~門司港間で活躍した高速船の名を受け継ぎ、「SeaMAX(シーマックス)」となります。

 同船は現在、同航路で運行中の高速船「スーパージェット」の後継で、国内初導入となるドイツ製の最新推進器「リニアジェット」を採用したことにより、高速性能を維持しつつ、既存船に比べて騒音や振動が低減されるとともに約3割の燃料消費削減を実現しています。

 サイズは既存船よりもやや小さくなります。全長はほぼ同じながら、全幅は既存船の9.8mから7.2mへ。船の大きさの目安となる総トン数も約189トンから約108トンに縮小し、旅客定員は156名から93名へ減少しています。

 航海速力は、既存船がウォータージェット推進を採用で約32ノット(約59km/h)だったのに対し、新船は約27ノット(約50km/h)になります。

 既存船のウォータージェット推進は簡単にいうと、海水を吸い込んで勢いよく吐き出し、高速で航行する方式ですが、新採用のリニアジェットは、基本的にはプロペラ推進です。プロペラに、水の流れを制御する「整流翼」を組み合わせることで、ウォータージェットのように水をまっすぐ排出し、高速航行と低燃費を実現しています。

 なお、就航開始に先立ち、お披露目式が12月17日(水)13時より、松山観光港ターミナルで予定されています。

【写真】これが日本初「リニアジェット船」の詳細です 既存船との比較も

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