「飛行機が雷」浴びるとどうなる? スカイマーク機も遭遇…ド級の実験も行われた航空業界の“対策の進化”

飛行中に落雷に遭ったことで「航空事故」に認定されたスカイマーク機。航空機が飛行中に落雷を受けるとどのような影響があり、航空業界はどのように対策してきたのでしょうか。

「ひたすら雷雲入れ!」NASAがやった驚愕の実験

 NASAではこの研究を「ストーム・ハザード・プログラム」と命名し、飛行中の航空機が直撃雷を受けた時のデータを収集することから始められました。そして本格的な実験としてF-106「デルタ・ダート」戦闘機を雷雲の中に突入させることで、飛行中に受ける直撃雷のデータを収集する実験が始まったのです。

 この実験は1980年から1986年にかけてオハイオ州クリーブランドにあるNASAのルイス・リサーチ・センターで行われ、実験機がアメリカ中西部の上空で高度3500フィート(1067m)から高度50000フィート(15240m)の範囲で雷雲に突入してデータの収集が行われました。実験に使われたNASA816号機(F-106B型戦闘機)は195回の飛行中に1496回雷雲に突入し714回の落雷を受けてデータを記録しました。

 こうした実験で、雷雲に入った際に最も落雷を受ける可能性がある機体の部分、落雷位置の集中度、落雷と空中の水滴密度と乱気流の関係、機上に搭載される雷雲探知装置の正確度、機体の表面による落雷の影響の受けやすさの差異なども調査されました。収集されたデータはその後の航空機の設計と開発に役立てられたことは言うまでもありません。

 貴重なデータを収集するために、果敢に雷雲突入飛行を実施したパイロットの勇気と文字通り体を張ってデータ収集を敢行したNASA816号機には敬意を表したいと思います。

【写真】えっ…これがNASA保有の「世界で最も醜い航空機」驚愕の全貌です

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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