ドイツ×イスラエルでロシアの脅威へ対抗! IAI製「弾道ミサイル迎撃システム」独東部で運用開始「周りの同盟国も守ります!」
ドイツ国防省は2025年12月3日、同国連邦軍においてイスラエル製の弾道ミサイル迎撃システム「アロー3(Arrow 3)」の運用を開始したと発表しました。
「欧州スカイシールド構想」の主要な柱のひとつ
ドイツ国防省は2025年12月3日、同国連邦軍においてイスラエル製の弾道ミサイル迎撃システム「アロー3(Arrow 3)」の運用を開始したと発表しました。
配備先はドイツ東部のブランデンブルク州シェーネヴァルデです。ここには周辺空域を常時警戒監視にあたっている第3戦術航空指揮統制群が置かれており、レーダーサイトや防空指揮所が設けられています。
「アロー3」は、イスラエルとアメリカが共同開発した広域防空システムで、IAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)がレーダーや迎撃ミサイル、探知システムの主契約者を務めています。
最大の特徴は、大気圏外(成層圏外)を飛ぶ弾道ミサイルを迎撃・破壊する「ヒット・トゥ・キル(HTK)」方式を採用している点です。これにより、敵ミサイルが搭載する核弾頭や生物・化学兵器などが目標地点の近くで爆発するリスクを大幅に低減します。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、国防力の抜本的な見直しを急いでいるドイツは、ロシアからの潜在的な脅威に対する広域防衛システムを確立するため、「アロー3」を選定しました。
「アロー3」は、単にドイツだけを守るだけでなく、欧州のNATO(北大西洋条約機構)加盟国を弾道ミサイルの脅威から守るための「欧州スカイシールド構想」の主要な柱のひとつとなることが期待されています。今回の運用開始は、イスラエルとドイツ、そしてNATO全体の防衛連携における新しい章の始まりを告げるものといえるでしょう。
運用開始式にはイスラエル軍関係者も参列し、同国国防省のバラム局長(予備役少将)は、「我々の国(イスラエル)を守るために生まれた、ユダヤ最高の頭脳によって開発された弾道ミサイル防衛システムが、今やドイツを防衛するようになった」と述べ、両国の防衛協力の深まりを強調しました。
なお、ドイツは「アロー3」にとって初めての海外ユーザーであり、本取引はイスラエル史上最大の兵器輸出案件とされています。





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