「踏んで良いの?悪いの?」よくわからない“車線”なぜ増えた? 黄色と白線の混在型 弁護士に聞いた「合理的な判断方法」

近年、首都圏を中心に新たな車線が増えています。オレンジ線と白線が混在する車線は、踏んでも良いのか悪いのか、弁護士に解説してもらいました。

増えている「法定外表示」の目的は「心理的な働きかけ」

 オレンジ線と白線の混在型や、車線内の点線やギザギザ。特にクルマの往来が多い首都圏の幹線道路では、近年、過去に見たことがなかった「謎の車線」を目にするようになりました。

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東京・環状八号線の世田谷区桜丘付近。オレンジ色の矢線と白線が混在する「謎の車線」(2025年、松田義人撮影)

 遠い昔に学んだ教習所での道路交通法における「車線」にはなかったものが増えていて、果たして、これを踏んで良いのか悪いのかがイマイチよくわかりません。道路交通法に詳しい、弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に聞いてみました。

 まず筆者が特に「謎」だと思うのは、白線とオレンジ線の“混在型”です。たとえば、「オレンジ・白・オレンジ」の実線がサンドイッチされたものや、白線にオレンジ色の“矢羽根”型の破線が混在した車線を見かけます。正木弁護士はこう解説します。

「近年増えている『法定外表示』というものです。(オレンジ・白・オレンジのサンドイッチ線は)主に事故が多いカーブや通学路などに描かれていることが多く、減速や車間確保を促す『心理的な仕掛け』として採用されています」(正木弁護士)

その意味は「追い越しのための右側部分へのはみ出し禁止」、つまり黄色の実線と同じですが、「特に強調する必要がある場合」に設置されるものとされています。

 他方、白線にオレンジ色の矢羽根が組み合わされるのは、「進路変更禁止の注意喚起表示」です。正木弁護士が解説する「法定外表示」の一つとして2021年から導入されたもので、その先に進路変更禁止区間があることを示唆し、事前に余裕をもって進路変更を行えるよう促しています。

 これらの車線について、正木弁護士はさらにこう解説します。

「『法定外表示』ですから、表示そのものを踏んだから違反というわけではありません。しかし、『何かしらのリスクが高い区間である』『その先に進路変更禁止区間がある』というメッセージを受け取り、『踏んで良いかどうかわからない』場合は減速するなどし、追い越しを控える判断をするのが、結果的に最も合理的なルールとの付き合い方になると思います」(正木弁護士)

【この意味わかる?】これが首都圏を中心に増えている“謎の車線”です(画像)

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