「踏んで良いの?悪いの?」よくわからない“車線”なぜ増えた? 黄色と白線の混在型 弁護士に聞いた「合理的な判断方法」
近年、首都圏を中心に新たな車線が増えています。オレンジ線と白線が混在する車線は、踏んでも良いのか悪いのか、弁護士に解説してもらいました。
白ともオレンジともわかりにくい車線は、「オレンジ線」と理解すべき?
こういった比較的新しい「法定外表示」のほか、古くから採用されている道路表示の中にも、実は認識が曖昧なものが存在します。こういった車線についても正木弁護士が解説してくれました。
「道路を運転していると、『このセンターライン、白なのかオレンジなのか分かりにくい』『車線の中に細かい点線がたくさん描かれていて、何を示しているのかわかりにくい』と感じることがあります。しかし、道路交通法の法令上の基本ルール自体は、それほど複雑ではありません。
センターラインには『白の実線』『白の破線』『オレンジ(黄色)の実線』がありますが、まず『白の実線』は原則として、その右側にはみ出して通行してはいけません。
一方、『白の破線』は、条件を守ればセンターラインをまたいで追い越して良いことを示しています。
また、『オレンジ(黄色)の実線』は、追い越し目的では、右側部分にはみ出して通行してはいけないという『強い規制』を意味します。
ただし、古い白線の上にオレンジを重ね塗りした結果、白ともオレンジともつかない線に見えることもあります。ですが、オレンジの実線が確認できる区間は黄色実線と同じと理解し、『はみ出して追い越さない』ようにしてください」(正木弁護士)
長年、クルマを運転していると、知らぬうちに道路交通法が改正され新しいルールができていたり、冒頭で紹介した「法定外表示」のような新しい車線などを目にしたりすることがあります。あるいは、かつて学んだつもりでも忘れてしまっていることや、曖昧な解釈のままにしている交通ルールもあることでしょう。
こういった正しく細心の交通ルールを把握するために、正木弁護士は最後にこんな助言もくれました。
「車や自転車の交通ルールは、道路交通法の改正、道路標識・標示の変更・追加、法定外表示等の設置指針の改廃などによりその時々で少しずつ改正されています。ネットの噂や経験則だけに頼らず、警察庁や都道府県警察の公式サイト、免許更新時のテキストなどで、ときどき最新の内容を確認する習慣を持ってください。それが結果的に、思わぬ違反や事故から自分と周囲を守ることにつながります」(正木弁護士)
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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