JALの公式Xで話題「航空券の転売」なぜ起こる? 「絶対ダメ」…でも起こり得る“2つの例”

JALが公式Xで「航空券の名前変更・譲渡はできません」と注意喚起を投稿したことが、大きな話題を呼びました。これは、どういった背景で生じるのでしょうか。2つの例を見ていきます。

「マイル修行僧による転売説」も?

 一方、別の動機で航空券を転売する人がいると語るのが、飛行機マニアのX氏です。その目的は、「航空会社のステータス獲得、いわゆる“マイル修行”のため」だと話します。

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JALとANAの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 今回のJAL、そしてANA(全日空)も、暦年で一定数搭乗した利用者に対し、翌年度にステータスを付与し、マイルの割増し、ラウンジの提供などを行っています。

「JALでは、ステータスにダイヤモンド、JGCプラチナ、サファイアなどのランクがありますが、JGCプラチナであれば、国際線のファーストクラスのラウンジが使えるなど、待遇がサファイアよりも格段に上がります。そのためJGCプラチナを目指す利用者が多いのですが、あと1搭乗、2搭乗でその基準を達成できるというところで、仕事の都合などで予約した飛行機に乗れなくなると、サファイアから積み上げてきた努力がムダになってしまいます。そのため、自分の航空券を安価でもいいから他人に譲り、代わりに乗ってもらうという“代理修行”を依頼する人がいるのです」(X氏)

 そしてX氏は、これはJALに限ったことではないと続けます。

「今回の“警告”はJALでしたが、ANAでも代理修行はありえると考えていいでしょう。ANAの場合、プラチナの基準を達成すれば、『スーパーフライヤーズカード』への入会が可能となり、入会後は飛行機の搭乗実績に関係なく、上級会員向けの一定のサービスを受けることができるからです」(X氏)

 もちろん、こうした他人による搭乗は、両社の規約に反する行為です。

「もし自らのステータス獲得のために他人に搭乗を依頼していたことが明らかになれば、依頼した本人にはマイレージ会員資格の剥奪、つまりそれまでに貯めていたマイルの没収に加え、将来の再入会拒否もありえます。JALでJGCプラチナを目指す人は、少なくともサファイアの資格を持っているわけですから、飛行機には乗り慣れているはずです。依頼された他人の年齢が近く、性別も同じでも、搭乗にあたってまごつくような態度を見せれば、地上係員や客室乗務員から不審に思われ、身分証明を求められる可能性もあるのではないでしょうか」(X氏)

 本人ではないことがわかったときに“失うもの”の大きさを考えたら、航空券の他人への譲渡はすべきでないし、たとえ持ちかけられたとしても、きっぱりと断るべきでしょう。

【写真】超高額「ライブ開催日のJAL航空券」&JAL・ANAの超豪華ラウンジ

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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