「電車が走ったことがない県」に「ほぼ電車」の新型車両が降臨! 国鉄形キハは一掃か? “土足をためらう”ほどの進化!?

JR四国初のハイブリッド車となる新型3600系の先行量産車がついにお披露目。中も外も四国の自然を取り入れたというシン・ローカル車両は四国の「顔」として勢力を伸ばすのでしょうか。まずは「オール非電化路線」の徳島に入ります。

「土禁車ですか?」 思わず寝っ転がってしまった車内

 車内に入ると思わず靴を脱ぎたくなるような、明るく、広々とした拡幅ボディーの車内が出迎えてくれます。四国のローカル車両としては初となる木目調の床面で、その見た目は自宅のフローリングと変わらない印象だったからです。座席の袖壁の曲線や、布目地にアクセントとなるグレーブラウンを組み合わされた壁面のコントラストが視覚的にも心地よく感じました。

 座席のモケットは2種あり、外観と同じ四国の海や空をイメージしたブルーを基調に、光に照らされて煌めく様子を多彩な色で表現。そんなブルーの一般席に対して、優先席は色弱者にも認識しやすいグリーンを採用し、四国の美しい山々をイメージしたといいます。モケット一面に巡らせた植物の文様は、光を受けて成長する木の芽をモチーフにしています。

 この植物文様は、自然の芽吹きを感じさせる柔らかなラインと、幾何学的な整然さを組み合わせることで、環境に優しいハイブリッド車両だというイメージを連想させる狙いがあるようです。会見に立ったJR四国の四之宮和幸社長も「時代とともに普通列車も進化している。最新の車両を導入でき、デザインも四国の自然を取り入れた優しいデザインになっているので、楽しんで乗ってほしい」と胸を張ります。

 なお、トイレ付の3650形はオールロングシート仕様で、座席定員39人、立席を含めると定員130人です。セミクロスシート仕様の3600形は、同49人、142人となっています。編成全体では272名を乗せることができ、これは従来のキハ47形編成の252名を上回る定員数です。

四国ローカル車両に大変革の予感が

 今回のハイブリッド3600系の導入は、老朽化したローカル気動車の置き換えを目的としています。計画ではまず、徳島運転所への集中配備により、1977年製造(初年)の国鉄形キハ40系列を置き換えることが決まっています。

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3600系導入で引退が決まった国鉄形キハ40系の説明も行われ、ハイブリッド車がいかに静音かが実感(坪内政美撮影)。

 これにより、キハ40系オリジナルのDMF15系エンジンを備えた国鉄車両の終焉を迎えます。

 また置き換え対象には、現在徳島地区で運用されていない松山運転所所属で国鉄末期の1987年製キハ32形、キハ54形、およびキハ185系3000番台車(1987年製造、1999年改造)も含まれています。

 今回、両運転台車での3600系の導入計画がない現状を考えると、徳島地区に配備されている1000形・1200形・1500形の一部を松山運転所へ転属させ、玉突きに国鉄ローカル車両の置き換えを進める公算が大きいといいます。いずれにしても四国のローカル車両から「キハ」を冠した車両が消える日も近いと考えられます。

【え…!】これが「土足をためらう」新型車両“ほぼ電車”です!(写真41枚)

Writer:

1974年生まれ、香川県在住。いつでもどこでもスーツで撮影に挑む異色の鉄道カメラマン・ロケコーディーネーター。各種鉄道雑誌などで執筆活動をする傍ら、予土線利用促進対策協議会のアドバイザーやテレビ・ラジオにも多数出演するなど、鉄道をワイフワークに活動している。著書に「鉄道珍百景」「もっと鉄道珍百景」「駅スタンプの世界」「100万キロを走ったセドリック」(いずれも天夢人刊)がある。

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