「お客が明らかに減った」 東京からも近い旅先でなぜ? 魅力満載の「絶景&レトロ私鉄」で見た光景と話

静岡県富士市の工業地帯を結ぶ行き止まりのローカル線「岳南電車」。短い路線ですが、鉄道としては初めて「日本夜景遺産」に登録されるなど、見どころは豊富です。

全駅にある「富士山ビュースポット」

 2025年夏の平日、筆者(安藤昌季:乗りものライター)は吉原駅から岳南電車に乗車しました。JR吉原駅からは跨線橋でスムーズに乗り換えられます。岳南の駅は、グッズなども売っている改札窓口は昭和の趣が感じられる一方で、自動券売機だけが新品のようでした。

 一日乗車券を購入しホームに出ると、床に「富士山ビュースポット」と書かれています。「全ての駅から富士山が見られる」のが岳南電車の特徴で、見やすい位置を表示しているわけです。

 少し待つと15時21分発岳南江尾行きの7000形電車が到着しました。1997(平成9)年に京王井の頭線3000系の中間電動車を両運転台に改造した車両で、「富士まるごとひとったび」というヘッドマークが付き、車両内外にかわいいキャラクターが装飾されています。

 片側3扉の車内に入ると、運転席の後ろまでロングシートが伸びており、展望席のような雰囲気です。吉原駅を出ると、運河を隔てて迫力ある工場群が見えてきます。岳南電車の車窓は富士山だけでなく、工場群の夜景も魅力で2014(平成26)年に「日本夜景遺産」に認定されていて、工場群の夜景を楽しむための「夜景電車」も運行されているほどです。

 工場群は6駅目の岳南富士岡まで断続的に見えますが、特に吉原~ジヤトコ前間と岳南原田~比奈間の工場群は見事です。後者は左右の工場だけでなく、頭上にもパイプラインが走り、映画やゲームの世界のような非日常感があります。

 日中の時間帯でしたが、列車には20人程度が乗車しており、安定した利用を感じさせました。

【写真】駅舎も眺めも変化に富む岳南電車を見る

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