「定期定点クルーズ」に南西諸島のカリブ海化? 2017年、どうなる日本のクルーズ

南西諸島が目指すはカリブ海?

 前述の国交省によるクルーズ拡大戦略構想は、「東アジアをカリブ海に」とする意欲的なものです。

 世界最大のクルーズゾーンであるカリブ海には、既存の港湾都市に加えて、大手クルーズ会社のほとんどがプライベートアイランドを持ち、さらにバミューダやベリーズなど中米の小さな町にクルーズ用の桟橋を設置、ホテルやレストラン、プールなどを建設し、クルーズの目的地自体を作り出すことで、クルーズゾーンとしての盛り上げを実現しています。

 実は2016年春、RCIは、同社の出資によって鹿児島県の奄美大島龍郷地区にリゾート型の同社船寄港地を造る構想で、地元への打診を行っています。この計画は、いわばカリブ海型のプライベートアイランド構想でした。しかし自然破壊への危惧や、地元の住民数を上回る4000人以上が一度に上陸することへの不安などもあって、地元の了解を得られず中止されています。

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ロイヤル・カリビアン・インターナショナルが運航する、乗客乗員あわせて定員5680人の「クアンタム・オブ・ザ・シーズ」(写真出典:ロイヤル・カリビアン・インターナショナル)。

 カリブ海や欧州を巡る客船は、22万トン、乗客6000人といったような大型船も登場しています。船内のアトラクションも「洋上のテーマパーク」といわれるほど多彩なものになっていますが、こうした大型化の理由のひとつとして、同じ寄港地を巡るクルーズでも、リピーターを集めたいという意図があります。

 つまり「定期定点型クルーズ」のビジネスモデルを追求する場合、「寄港地自体の新味が必要。寄港地をリゾート化するのは素晴らしいアイデア」(旅行会社)とされており、RCIによる奄美大島のプランにも、「東シナ海や南西諸島の離島などの開発にもつながる」と、そのメリットを指摘する声がありました。港湾局も前述の発表のなかで、「クルーズ会社による投資と港湾管理者による受け入れ環境の整備」というカリブ海型の手法の重要性を指摘しています。

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