「山形新幹線」終わりの見えない“折返し運転”の深刻な影響とは? 東北新幹線も混雑 苦境「つばさ」のやり繰りを見た
山形新幹線の新型E8系が不具合により単独運行を取りやめているため、「つばさ」は福島駅で折り返し運転を行っています。東北新幹線の「やまびこ」と乗り継ぐ福島駅はどのような状況と運用なのか、現地を見てきました。
下り列車は同じホーム、上り列車は階段で乗り換え
2025年6月17日、山形新幹線の新型車両E8系を使用した複数の列車で不具合が発生しました。さらに、不具合が発生したE8系の回送列車が東北新幹線で立ち往生したため、約5時間運転を見合わせる事態となりました。

当面の対策として、JR東日本はE8系の単独運行を取りやめているため、山形新幹線は一部を除いて東北新幹線に直通せず、福島駅で折り返し運転を行っています。これにより、東北新幹線と山形新幹線は福島駅での乗り換えを余儀なくされていますが、どのような運用が行われているのか、現地の状況を調査してみました。
福島駅では、山形新幹線の「つばさ」の大半が14番線を発着しています。同駅で山形新幹線と東北新幹線を結ぶ線路は14番線だけだからです。
現在、「つばさ」の大半が福島駅で折り返していますが、これらの「つばさ」も原則として14番線を使用しています。
東北新幹線では、「つばさ」の代わりとして東京~仙台間で「やまびこ」が運転されています。下り仙台行きは福島駅の13番線に入り、隣の14番線に停車している「つばさ」に同じホームで乗り換えることができます。
一方、上り東京行きは12番線から出発するため、「つばさ」から乗り換える際は、階段やエレベーター・エスカレーターを使って別のホームに移動する必要が生じているのです。
ちなみに、「つばさ」が東北新幹線に直通する場合、その大半が東京~福島間で「やまびこ」と連結して走っていました。この際は、「つばさ」と連結する「やまびこ」も14番線に入り連結・切り離しの作業が行われます。連結・切り離し作業は14番線だけで行われるため、「つばさ」と連結する上り「やまびこ」も下り線を横断して14番線に出入りしています。
しかし今は、福島駅では「つばさ」と「やまびこ」の乗り換えが発生したため、列車が到着した際は、大勢の利用者がホームやコンコースを移動するようになりました。
先の通り、福島駅では下り列車は同じホームで接続しますが、「やまびこ」は10両編成ないし17両編成と長い上、「つばさ」は14番線の端に停車しているため、利用者は場合によってはホームの端から端まで乗り換えで歩くことになります。
また、上り列車は「つばさ」の福島・東京方の先頭車付近に階段やエレベーター、エスカレーターがあり、これらを使った上り下りのほか、駅構内のコンコースを歩く必要があるのです。
このため、福島駅ではホームやコンコースに係員を配置して案内が行われ、利用者の乗り換えを終えてから「やまびこ」や「つばさ」を発車させています。
福島駅に到着した上りの「つばさ」は乗客を降ろした後、一旦ドアを閉めて清掃や座席の回転を行い、下り山形・新庄方面の「つばさ」として折り返しています。
コメント