米空軍「地上攻撃の達人」の退役前倒し“低空でぶっ飛ばす”は過去のもの? 必要な機体とは
アメリカ国防総省は、空軍が運用しているA-10「サンダーボルトII」攻撃機の退役を前倒しする方針です。
約2年ほど退役が早まることが明らかに
アメリカ国防総省は2025年6月26日、空軍が運用しているA-10「サンダーボルトII」攻撃機の退役を、当初の予定より前倒しする方針を明らかにしました。

この発表は、2026年度国防予算に関する記者会見の中で言及されたものです。予算案の発表に伴い、アメリカ空軍は2026年度に退役を予定している航空機のリストを公開しましたが、その中には現在運用中のA-10全162機の退役に必要な予算として、5700万ドルの要求も含まれていました。
この件について問われた担当者は、「A-10は当初、2028年までに段階的に退役させる計画でしたが、現在では2026年中にすべて退役させる方針に変更しています」と説明しました。また、「これによる経費節減の効果は、2026会計年度(FY26)ではなく、それ以降の年度に現れてくる見込みです。なお、この退役を実現するために必要な5700万ドル(約82億6500万円)は、2026年度予算に計上されています」とも述べました。
この発表により、A-10の全機退役が約2年前倒しで実施されることがほぼ確実となりました。退役の前倒しには、無人機の研究開発や、第6世代戦闘機であるF-47(仮称)などへの予算配分を重視する狙いもあると見られています。
A-10は1970年代から近接航空支援機として長年活躍し、湾岸戦争やアフガニスタン戦争、イラク戦争などにおいて強力な支援能力を発揮してきました。しかし近年では、携行型対空ミサイルや地対空防空システムの性能向上により、F-35Aなどへの役割移行が進められており、段階的な退役が進行していました。。
A-10は、東西冷戦下で旧ソ連軍の戦車部隊を撃破するために特化した機体。
しかし、低速などから対空砲火か濃密なエリアや敵の制空域で役に立たないとも言われていた。
皮肉なことに、冷戦終結後に湾岸戦争などの圧倒的な制空権の下では充分に活躍できました。
まぁ、導入(1970年代)から約半世紀経つ機体なので、とにかく、ご苦労様でした。