N700系新幹線の「鼻」を開ける方法

そして連結へ 「中間連結器」を使うことも

 ふたつの「オオイ」を外したのち、救援してくれる車両と連結可能にすべく、以下の作業が行われます。

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姿を現したN700系の連結器。救援してくれる車両と連結したのち、ケーブルも接続する(2016年11月、恵 知仁撮影)

・ボルト収納(「オオイ」を固定していたボルトを車両にしまう)
・振れ止めピン外す
・コッター挿抜テコを収納→解除位置へ
・連結器引き出し(「オオイ」を外した時点では連結器はまだ奥にあるため、ロックを解除し、それを引き出す)
・コッター挿抜テコを解除→連結位置へ
・救援カプラー取り付け
・MRコック取り扱い

 東海道新幹線では先頭の連結器を日常的には使わないため、こうした手作業を経て、ほかの車両と連結します。

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保守用車と連結するN700系(2016年11月、恵 知仁撮影)

 2016年11月にJR東海が行った「総合事故復旧訓練」では、「中間連結器装着訓練(保守用車連結)」も実施。大規模災害で被害を受けた想定のN700系と、線路の保守作業に使う車両を連結、けん引する訓練が行われています。なお、旅客車両と保守用車両の連結器は形状が異なるため、それを可能にする中間連結器、いわばアダプターを使って連結が行われました。

 JR東海は毎年1回、迅速な乗客への対応、復旧体制の確立、技術力の向上などを目的とした、各系統の社員が連携して参加する「総合事故復旧訓練」を実施。29回目となる2016年は鳥飼車両基地で11月30日、およそ1200人の規模で行いました。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. JR東のこまちやつばさ等と違って連結・分割をしないJR東海とは、格段の差があるものなんですね。
    連結・分離は大体自動で、走りながらしていますね。

  2. こんなに手間が掛かるんか
    使わないんだからまあ良いんだろうけど、ボルトが固着して外せないとか、男性乗務員が負傷して女性乗務員だけでは力が足りないとか、そういうの無いようにお願いします
    少し前の記事で、車掌の人数を減らすという話もあったし、救援車が来るまで人手不足で対処できないとか無しにして下さいね