「この外車、どこの…?」でも引き受ける スゴ腕自動車工場が「世界の自動車メーカーの95%以上に対応」できるワケ

輸入車ディーラーは工賃が高く、個人の自動車修理工場は敷居が高いという問題に悩まされる方も少なくないはず。そんな悩みを解決する「駆け込み寺」的修理工場が、東京の二子玉川にあるといいます。

どうしても断らざるを得ない車種は…

 取材時、工場内を覗かせてもらいましたが、チェコのクルマや、各国の軍用車などに採用されるクルマ、はたまた巨大なロンドンタクシーなどが入庫していました。

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富士自動車工業代表の春日直樹さん(2025年、松田義人撮影)。

 まさに「なんでも来い!」な印象の富士自動車工業ですが、春日さんによれば、「お断りしているクルマ」もあると言います。

「まず、電気自動車(EV)ですね。電気自動車修理の資格はもちろん取得していますが、ハイブリッド車ではない完全なEVは、ディーラーとか専門工場のほうが、ユーザーさんにとって絶対安心だと思いますので。

 あとは旧車ですね。もちろん旧車の修理も以前はお受けしていたのですが、ここ数年の旧車ブームがあり、数多くお問い合せをいただくようになりました。しかし、修理は部品調達に時間がかかることが多く、クルマを長期間お預かりすることになるので最近はお断りさせていただいています」(春日さん)

 町の自動車修理工場に外車の修理の相談をした際、「うちには、このメーカーの専門工具がないから受けられない」「整備書・サービスマニュアルがないから受けられない」と、修理を断られることがあります。こういった点はどうクリアしているのでしょうか。

「工具で言えば、近年はメーカー間で共通のものが増えてきてだいぶ楽になりましたが、『どうしても専用の工具がないと触れない』という場合は、『工具自体を作るところ』から対応しています。既存の工具を加工したり、イチから作ったり。でも、これは珍しいことではなくて、外車の修理を行う工場はどこも同じだと思います。

 整備書・サービスマニュアルが必要な修理内容なら、その資料を取り寄せれば良いし、手に入らない場合でも、過去に修理してきた経験から直せることが多いですよ」(春日さん)

 前述の「95%以上のクルマの修理を受ける」ことは、長い目で考えれば富士自動車工業にとっての「経験値」という財産となり、さらに修理対応できる車種が増えていくことにつながる、ということのようです。

 ただし、近年では悩ましい問題もあるそうです。

「人員不足はかなり深刻ですね。確かに経験値を重ねることで、修理対応できる車種は増えていくわけですが、若い人のなり手が少なくて。『その車種の修理はできるけれども、修理依頼が来すぎていて、対応しきれない』という理由で、時期によってはお断りさせていただいたり、お待ちいただいたりすることもあります。

 うちはあくまでもこんな感じの工場ですが、外車に乗られていてお近くの修理工場などで断られた場合は、一度うちに相談に来ていただければと思います」(春日さん)

 外車、それも流通量の少ない珍車に近い会社に乗っているユーザーからすれば、まさに「駆け込み寺」のような富士自動車工業ですが、春日さんの話は実に控えめで実直な印象を受けました。お断りをするケースがあるのも、比較的安価な修理費用とスピード感ある納期を実現しているからこそ、なのかもしれません。

【外車がいるわいるわ…!】これが「95%のメーカーの車に対応する自動車工場」のナカです(写真)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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