「県庁を移転しろ」県都の“焦り”が鉄道を生んだ? SLと「日本で3番目に長距離の特急」が走る路線の日常風景

JR山口線は、観光列車の快速「SLやまぐち号」が走る路線として知られていますが、今回はその観光列車ではなく、日常の姿を見てみました。

短距離でも特急利用あり

 2025年11月の水曜、新山口発・米子行きの特急「スーパーおき2号」に乗車しました。新山口は8時57分発ですが、出発30分以上前から自由席に並ぶ人が見られました。

 一方で山口からキハ40系気動車4両編成の普通列車が到着しますが、朝のラッシュで満席。立ち客もいます。

 特急「スーパーおき」が入線して扉が開くと、鉄道ファン風の男性が2号車の先頭座席へ。運転席越しに前面展望可能な区画目当てです。列車は、自由席に33人(定員60人なので乗車率55%)、指定席に34人(同58人なので乗車率59%)を乗せて、鉄道唱歌のチャイムとともに出発しました。

 キハ187系気動車は通常2両編成で、フリースペースもあります。ただ、独立した洗面所はなく、トイレの中の手洗い場を使う構造なのは珍しいです。窓はかなり大きく、景色が眺めやすい良い車両ですが、窓框は細いので、物は置きにくい印象です。座席は標準的な造りで、普通車はリクライニング角度も充分。肘掛けにもミニテーブルが付いていて便利です。

 9時10分、駅名標がレトロな湯田温泉に到着し、2人が乗車しました。9時13分の山口では、6人下車・6人乗車。わずか約13kmでも特急利用が結構あります。

 9時51分の徳佐で2人下車・2人乗車。10時2分の津和野で20人下車・1人乗車。沿線に広がる田んぼがとにかくきれいで、田代川、篠目川、阿武川、津和野川、高津川、匹見川などの川の景色も美しいです。

 10時14分の日原は国鉄岩日線(現・錦川鉄道錦川清流線)が目指した駅ですが、閑散としており、1人乗車のみ。そして10時35分、山口線の終点・益田で4人下車・42人乗車。ほとんど乗客を減らさずに「スーパーおき2号」は山陰本線の米子方面に向かっていきました。

 なお、「スーパーおき」は、最長で鳥取~新山口間378.1kmを結んでおり、その距離は在来線の長距離特急として九州の「にちりんシーガイア」、北海道の「宗谷」に次ぐ3位です。

 SLも走り風光明媚、観光地や温泉も点在する山口線は、現在も多くの観光客でにぎわっていました。景色も良く楽しい列車旅が満喫できる路線です。

【風光明媚】これが山口線の特急・SLと車窓です(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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