なぜミサイルの先端には「丸」と「尖り」がある? 速度だけじゃない! “使い方”で変わるデザインの秘密

ミサイルといえば尖った形を想像しますが、先端が丸いものも多く存在します。この形状の違い、実は空気抵抗と中に入っている「目」の性能を天秤にかけた結果です。形の違いに隠された深い理由を解説します。

尖った先端はマッハの世界を飛ぶため! 衝撃波を操るスピードの秘密

 一方で、遠くから超高速で突っ込んでいく中・長距離ミサイル(AIM-120など)の多くは、先端が尖っています。こちらは視界の確保だけでなく、超音速での長距離飛翔が想定されているので、このような形状になっています。

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陸上自衛隊の81式短距離地対空誘導弾。左手前が光波弾、右奥が電波弾。誘導方式の違いで形状が異なる(柘植優介撮影)

 音速を大きく超えるマッハの世界で長距離を飛ぶとき、ミサイルの前には空気が激しく圧縮されて「衝撃波」が発生します。

 先端を細長い円錐などの尖った形にすることで、この衝撃波の当たり方をコントロールし、空気抵抗、特に「造波抵抗」と呼ばれる抵抗を抑えやすくなります。長距離を短時間で駆け抜けるためには、この尖った形が空力的に非常に有利なのです。

 ただし、とにかく尖らせて速くすれば良いというわけでもありません。超音速で飛翔すると、先端部は空気との摩擦や圧縮による「空力加熱」を受けます。赤外線センサーを用いる場合は、この熱によって先端の窓やセンサー自体の温度管理などが設計上の制約になり得ます。

 ミサイルの形状は、単なるデザインではなく、空力、光学、熱、そして内部機器の配置を総合的にバランスさせて決定されます。そのため、先端形状だけでなく、材料や冷却を含めた総合設計でバランスを取る必要があります。

 ミサイルの先端を見れば、そのミサイルが「粘り強く追いかける格闘家」なのか、「電光石火で突き進むスナイパー」なのか、その性格が見えてくるはずです。

 ミサイルの形状1つにも、性能と機能が凝縮されているといえるでしょう。

【弾体に小穴がいっぱい!】これがペトリオット「PAC-3」ミサイルです(写真で見る)

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