プロのドライバーは「眠気対策」どうしてるの? 十分な睡眠・適度な仮眠・もう一つの要素とは?

長距離の運転をするトラックドライバーですが、一般のドライバーと眠気対策に違いはあるのでしょうか。トラックドライバーの眠気対策と、眠気を感じる仕組みについて、専門家に聞きました。

刺激が少なくなると、脳が覚醒レベルを下げ睡魔を呼び起こす

 プロならではの必殺技があるのかと思いきや、意外にも一般ドライバーと同じ悩みを抱えているようです。ここで、島崎准教授はそもそもの「睡魔の正体」についても解説してくれました。

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睡魔は生理現象の一つ。「プロも一般ドライバーも変わりがない」と島崎准教授(画像:写真AC)

「『眠くなる』というのは、脳の働きに関係します。脳は重さこそ体重の3%ほどですが、全身の酸素の30%も消費してしまう非常に燃費の悪い臓器です。

 そのため、隙あらば『省エネモード』に入ろうとします。情報処理すべき刺激がたくさんあれば脳は起きていられますが、例えば『単調な道』に入ってやることが少なくなると、脳が『今はがんばらなくていい』と判断して覚醒レベルを下げてしまいます。これが運転中の眠気の正体です」(島崎准教授)

 その上で、重要なことは「脳への刺激を一定レベル以下にしないこと」だとも島崎准教授はいいます。

「世の中には『運転中に他のことをするのはけしからん』という風潮があります。しっかりした運送会社ほど、こうした行為を制限する傾向にありますが、実は非科学的です。

 もちろん、運転への注意資源を奪うという意味では余計なことをしないほうが良いのは事実です。しかし、単調な道路で眠気を覚ますという観点に立てば、運転以外の刺激を取り入れる方がむしろ安全だということが複数の研究で明らかになっています。

 そのため、ラジオを聴いたり、無線やLINE通話などで会話をしたりすることは、低刺激状態にある脳を覚醒させ、安全に寄与する有効な手段です」(島崎准教授)

島崎准教授によれば、「しっかり寝て運転に備えること」「仮眠をとること」「適度な刺激を得ること」は、プロ・アマ問わず多くのドライバーにとって、運転する上で不可欠だといいます

「体調の管理は、プロ・アマ問わずドライバーにとっては安全運転に直結する『要素の一部』といえます。ただし、誰でもそうですが、悩み事や嫌なことがありイライラしていると、なかなか寝付けないものです。

 今の運送業界ではカスハラやパワハラといった問題がよく取り上げられますが、ドライバーがこういったストレスに晒されることは、彼らの良質な睡眠を妨げ、巡り巡って道路交通システムのリスクを高めることになります。

 だから私たち一般人は、ドライバーに嫌な思いをさせるような接し方を厳に慎むべきだとも思います」(島崎准教授)

 なお、島崎准教授は2025年10⽉より、運転⼼理と安全リスクなどについて解説するポッドキャスト番組『プロフェッショナルドライブ』を配信しています。元トラックドライバーで交通⼼理⼠、さらに現役の⼤学准教授というマルチな⽴場から、運転にまつわる多彩なトピックを展開しています。

https://prodora.jp/

【実践してみるか】これが運転中の眠気対策です(画像)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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