「飛鳥II」世界一周復活へ しかし課題も 高騰する料金、不安定な世界情勢

「飛鳥II」によるクルーズの課題とは

 ただ、課題がないわけではありません。

 まずコースの設定です。今回の発表においては、「飛鳥II」はアジアから出発し、スエズ運河を通行して地中海に向かうことまでは明らかにされていますが、その先の、地中海のどの港に寄港するかが注目される点です。これまで地中海をクルーズする際に必ず寄港していたイスタンブールは、中東の紛争もあって、各国のクルーズ会社もみな寄港を回避しており、2018年の「飛鳥II」も寄港は難しそうです。それ以外にも、チュニスやエジプトなどへの寄港が果たせるのか、アラブ世界を除いた世界一周になるのでは、といった懸念もあります。

 クルーズ料金も日程が長くなるにつれて上昇しており、1996(平成8)年の「飛鳥」世界一周開始当初、90日間で300万円程度だったものが、2015年には104日間で481万円から2599万円と、夫婦ペアで1000万円以上用意しなければ参加できない旅になってしまいました。

 たとえば世界最高級といわれる、リージェント・セブンシーズ・クルーズ社の「セブンシーズ ナビゲーター」(2万8550総トン、490人乗り)による「2018年世界一周クルーズ」(129日間)は、最もリーズナブルな価格で5万4589ドル(デラックスウィンドウスイートH、2名1室利用時における1名あたりの価格、税別)、日本円にしておよそ620万円になります(1ドル113円換算)。

「飛鳥II」の「104日間、481万円」(2015年設定)と比べると140万円ほど高いわけですが、このおよそ620万円という金額には、寄港地での陸上観光(オプショナルツアー)や船上のアルコール類、チップなどが含まれています。いわゆる「オールインクルーシブ」と呼ばれる、高級船で一般的な料金体系です。「飛鳥II」でのクルーズ料金には、アルコール代や寄港地観光の費用などが含まれていないことを考えると、旅行費用総額として両者に大差はないかもしれません。

 いずれにしても、本格リタイア時代を迎えている団塊の世代にとって、「参加するべきか、それとも諦めるのか?」――人生の終わりに、思わぬオプションが示されることになりました。「所詮、高値の花」というイメージを払拭し、かつて「飛鳥」による世界一周クルーズが初めて催行された1996(平成8)年と同様のブームを、再び起こせるでしょうか。2月下旬とされる詳細発表が待たれます。

【了】

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