2年後に新型登場「関東私鉄唯一の列車」現車両も“延命”か? 商機をつかんだ西武の“走るレストラン”

東京都心部から手軽に乗れるレストラン列車が、運行開始10年の節目を迎えます。後継車両の導入が決まっていても「進化を続けていく」、その中身は何でしょうか。

「ラビュー」ベースの新列車、そりゃお高いよね…?

「52席の至福」は、土休日を中心に西武新宿駅または池袋駅と西武秩父駅(埼玉県秩父市)の間を走ってきました。1988年に登場した電車4000系を改造した4両編成で、外観は秩父の四季をイメージしたデザインになっています。

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式典で話す建築家の隈 研吾氏(大塚圭一郎撮影)

 うち2号車と4号車に乗客が食事を楽しめるように大きなテーブルを設け、それぞれのテーブルに2つまたは4つの座席を設置。これらの52席で至福の体験ができるというのが列車名の由来になっています。

 天井は2号車が渋柿和紙、4号車が埼玉県南西部で産出するヒノキやスギの「西川材」をそれぞれ使用。3号車は食事を用意するキッチン車両、1号車はイベントなどに対応する多目的車両です。

 隈氏は式典で「私たちの事務所で電車の外装も内装も引き受けた初めての仕事で、こんなに緊張することはないと思いました」と打ち明けました。なぜなら、「電車はいろいろな方が楽しんでもらえる場所で、食事までしてもらうのは特別に記憶に残る場所になる」ためだとし、できあがった「52席の至福」は「(繰り返し乗車する)リピーターがすごく多く、皆さんに愛してもらっている」と満足感を示しました。

 秩父などの沿線景色を眺めながら、シェフが腕によりをかけた料理を楽しめるのが人気で、運行開始後の利用者数は延べ8万人を超えています。西武関係者は「『予約を取りにくい』との声をいただくこともある」と明かします。

 そうしたなか、西武は後継として特急電車「Laview(ラビュー)」001系をベースに日立製作所が新造する「ヴィエス」を投入します。定員が70人程度となり、「52席の至福」よりも席数が増えます。

 旅行代金はまだ公表されていませんが、大規模な投資をして車両を新造するだけに「52席の至福」より高額になると筆者は予想しています。なお、池袋または西武新宿から西武秩父へ向かう「52席の至福」の旅行代金はブランチが1人当たり1万6000円、西武秩父から池袋または西武新宿へ向かうディナーは1人1万9000円です。

 したがってプレミアム感を強めた「ヴィエス」を導入しても、「52席の至福」より手ごろな代金でケーキや紅茶を提供すれば、すみ分けられる可能性は大いにあるのではないでしょうか。

【超カッコいい…!】これが「レストラン列車の内部」と「料理」です(写真)

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