総額3000億円! カナダ軍が「HIMARS」を導入決定と発表 “射程300km超”のロケット弾も購入
カナダ政府がアメリカから高機動ロケット砲システム「HIMARS」を26基調達すると発表しました。この導入はカナダ陸軍の能力を大きく変革するものと期待されていますが、一体どのような能力向上につながるのでしょうか。
射程300km超! 北極圏防衛も見据えた新戦力
カナダ政府は2026年6月2日、アメリカからM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)を26基調達すると発表しました。
この調達は、カナダが2024年に発表した国防戦略「Our North, Strong and Free」で示された、先進的な長距離ミサイル能力を取得するための「陸上型長距離精密打撃(LRPS(L))」計画に基づくものです。カナダとアメリカは2026年1月に、米国の対外有償軍事援助(FMS)プログラムのもとで、政府間協定を最終決定していました。
取得総費用は、プロジェクト管理やインフラ、契約、予備費を含め、26億カナダドル(約3000億円)と見積もられています。納入は2029年に開始される見込みです。
カナダ国防省によると、今回導入されるHIMARSには、通常の誘導ロケット弾(GMLRS)に加え、射程300kmを超える精密誘導長射程ロケット弾であるATACMSが統合されます。これにより、カナダ陸軍の作戦実施方法や、将来の任務における統合作戦部隊への支援のあり方が大きく変革されることになるとのこと。
また、HIMARSには将来的に地上発射型の対艦ミサイルであるPrSMインクリメント2を統合できるようにも設計されており、北極圏を含むカナダ沿岸部の防衛を支援する役割も期待されていると、カナダ国防省は説明します。
さらに、この調達はカナダの防衛産業にも利益をもたらします。カナダの産業・技術便益政策に基づき、製造元であるロッキード・マーティンは、カナダ国内の企業をグローバル・サプライチェーンに組み込んだり、国内の研究開発に投資したりするなど、カナダの防衛産業の成長を支援する計画とのことです。





米軍は、この地対艦ミサイルを導入した時に、陸自の88式地対艦ミサイル部隊との合同演出を繰り返しました。
理由は、地対艦ミサイルの運用にノウハウを陸自から学ぶためです。
米国にとっては初めての兵器で、運用ノウハウは全て机上のプラン。
これに対して、陸自は1988年から旧ソ連の侵攻に備えての地対艦ミサイル部隊の運用ノウハウの蓄積があります。
また、2000年以後は中国の海洋進出に対抗するために、島嶼での対艦ミサイル部隊の運用を続けてきました。
新しい兵器の部隊の運用には、訓練などに数年は必要です。米軍は陸自との合同演習で、少しでも時短をするために合同演習をしていました。
そして、カナダが対艦ミサイルを導入するのであれば、米軍または陸自からの運用ノウハウの伝達が必要です。
現在の米軍は、対イラン対応で余力が少ないと推察されます。そうなると、カナダ軍への運用ノウハウの伝達は陸自が担う可能性が高くなります。