国内のトロリーバス、残り1か所に 関電が廃止、立山黒部貫光が「唯一」に

「唯一」になる立山黒部貫光、今後は

 関西電力は1964(昭和39)年8月1日から、関電トンネルでトロリーバス事業を行っています。現在、運行に使用している車両15台は1993(平成5)年から1996(平成8)年にかけて導入。旅客定員は72人(座席36人)、最高速度は50km/hです。

 今回、この全15台を電気バスに変更するにあたり、8月28日(月)、関西電力は国土交通省北陸信越運輸局に、関電トンネルトロリーバス事業にかかる鉄道事業の廃止を届け出ました。

 新たに導入される予定の電気バスは、パンタグラフで車載バッテリーに超急速充電するタイプです。旅客定員は80人(座席33人)、最高速度は50km/hとなっています。

 同社は「今後、新たな車両に更新するにあたり、運行ルートが中部山岳国立公園内であることから環境性を考慮するとともに、運行にかかる経済性等も踏まえ、トロリーバスから電気バスに変更することとした」と説明。「トロバス」の愛称で親しまれ、これまで累計6000万人以上が利用した関電トンネルトロリーバスは、2018年に最後の年を迎えることから、「トロバスラストイヤーキャンペーン(仮称)」として、各種イベントなどを展開していくとしています。

 なお、立山黒部貫光は、立山トンネルトロリーバスで1996(平成8)年に8000形8台を導入し運行しています。同社によると、車両の更新は「いまのところない」とのこと。国内唯一のトロリーバスになることについては、「今後、アピールが必要になっていくとは思いますが、現時点では特に具体的な検討はしておりません」としています。

【了】

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コメント

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9件のコメント

  1. 法律上のカテゴリーは鉄道から自動車に変わるのか、そのへんの続報も欲しいです。

  2. 急速充電バスか。最近の電池技術の発展のおかげですかね。法律上は多分無軌条鉄道のままになるでしょう(定められたルートを通る点では同じ)。

    • ゆとりーとラインと同じ様な扱いですな。

    • >トロバス廃止後
      本文読もう

    • ご指摘ありがとうございます。すっかり見落としてました。鉄道ではなくなるんでしたね。とすると、廃止後に信号システムとかも撤去されるのか、それとも時期が来るまでそのまんま放置なのかが少し気になります。

    • 使用を停止した信号機は覆うか向きを変える必要がありますからそのまま放置はまずあり得ません。それ以前に、使わない設備はただの負債でしかないので廃止後早々に撤去されると思われます。

  3. おお、エアロリボンミオさんありがとうございます。本文中に  8月28日(月)…中略… 鉄道事業の廃止を届け出ました  と書いてありますね、納得。
    ところで2015.11.07の記事で触れていた「タブレット交換」は将来も続けるのでしょうか、そっちも興味あります。

  4. いずれにしても試運転を繰り返して、いざ営業の時に故障でトンネル内に立往生、などという事態にならないようお願いしたい。

  5. この種の電気バスは、超急速充電スタンドさえ備えれば、どこでも普及しそうですね。大量生産による車体価格の低減も見込めると思います。