バードストライク、年間1500件超!? 1羽でエンジン損傷も どう対策?
飛行機と鳥との衝突は「バードストライク」と呼ばれ、日本では年間1500件以上発生しています。1羽だけでも大きな被害になりかねないバードストライク、どのような対策が行われているのでしょうか。
窓ガラスにひび、エンジン損傷も
飛行機と鳥との衝突は「バードストライク」と呼ばれ、国土交通省航空局の資料によると、日本では2016年に1626件、2015年には1769件発生しています。
この数値は、飛行機の運航者(航空会社など)や機長から寄せられた報告に基づき、航空局が取りまとめたもの。同局ではバードストライクに対策を講じるべく、2009(平成21)年から日本で鳥と衝突、あるいは衝突のおそれがあった事例について、運航者に報告をお願いしているといいます。鳥がどのような被害をもたらすのか、同局に聞きました。
――バードストライクで多い事例はどのようなものでしょうか?
最も多いのは、コックピットの窓を含む飛行機の前部(ノーズ)に当たる事例です。翼やエンジン・プロペラ部、胴体など、衝突する部位や鳥の大きさによっても被害は異なり、胴体がへこんだり窓ガラスにひびが入ったりすることもあれば、当たったことに気づかないほど軽微なケースもあります。
エンジン部に鳥が入り込むと、衝撃でタービンブレードが欠け運航に支障をきたすこともあります。鳥の大きさによっては、1羽巻き込んだだけでも起こり得ます。ただ、翼や胴体を貫通するほどの事例はまれでしょう。
ジェットエンジンって、空気を大量に吸い込むし、吸い込んだ空気を圧縮するためのタービンブレードがエンジン1基あたり数百枚以上ありますし、しかも毎分数万回転以上しているため、鳥どころか小石やナットが入っただけでも重大事故になりかねません(そのためロシアの戦闘機の一部には離着陸時には空気取り入れ口に蓋をして、上部にある離着陸時専用の補助空気取り入れ口を使っていますし、アメリカの空母や強襲揚陸艦では毎朝乗員が横一列になって、清掃車が吸い残した飛行甲板のゴミを手で回収してから、飛行作業を開始しています)。
一応エンジンの開発時には実際に本物の鳥の肉をエンジンに当てる、という試験をしているようですが、それでも万全というわけではないですし。
旧機構、もとい吸気口にフィルターを
ってわけにはいかんのだろうか
空気流入に悪影響出るし、整備性も悪くなりそうですし、第一、空中でフィルターがつまって空気流入が不足してエンストしたら、それこそ大惨事を引き起こしますよ。
バードさんが地道に頑張るしかないですね。