高速バスで野菜を都内に? 京王電鉄と高山市が「貨客混載」で農産物の販路拡大へ

京王電鉄と岐阜県高山市が2017年9月14日、「貨客混載」で飛騨高山の農産物の販路拡大事業を開始しました。飛騨高山の農産物が高速バスで輸送され、収穫から最速30時間以内に都内スーパー店頭へ並びます。

飛騨高山の新鮮野菜が、収穫30時間以内に都内店頭へ

 京王電鉄と岐阜県高山市は2017年9月14日(木)より、高速バス路線を活用した貨客混載による、飛騨高山の農産物の販路拡大事業を開始しました。関東ではまだなじみの薄い、飛騨産のトマトやほうれんそうなどが、収穫から最速30時間以内に都内のスーパー店頭へ並ぶとのことです。

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9月14日、都内で初荷到着セレモニーが開かれた(2017年9月14日、乗りものニュース編集部撮影)。

「貨客混載」とは、旅客と貨物を一緒に運ぶ輸送形態のこと。京王電鉄バスと濃飛乗合自動車(高山市)が共同運行する中央高速バス 飛騨高山線(新宿~飛騨高山間)で、高山市の新鮮な野菜や果物などを定期的に輸送、京王ストアが運営する「キッチンコート永福町店」(東京都杉並区)にて販売します。まずは同店1店舗のみの展開で、販売動向を見て、取扱品目の増加や周辺店舗への供給も視野に入れています。

 野菜の運搬には、飛騨高山線 新宿行きバスの、乗客の荷物が入っていないトランクルーム(700リットル)を利用します。1回の搭載量は保冷コンテナ3個から6個(60~120kg)で、1日14便(7往復)運行する飛騨高山線のうち、高山濃飛バスセンターを午前10時30分に出発する7006便のみが混載車両です。輸送は月曜日と木曜日の週2回で、店頭での販売は火曜日と金曜日になります。

 高山市で朝に採れた野菜などは、地元農産物を販売する「特選館あじか」(高山市)に一度集荷され、バスへの積み込みは濃飛バス高山営業所で行われます。野菜などを載せたバスは高山濃飛バスセンターへ回送、乗客を乗せ、ここからバスタ新宿までが貨客混載区間になります。バスタ新宿で乗客を降ろしたバスは、京王電鉄バス高速バスセンター(東京都杉並区)へ回送され、ここで野菜などが荷卸しされます。その後、「キッチンコート永福町店」まで運ばれ、翌日販売されるという流れです。京王ストアによると、飛騨高山地区の農産物が収穫から30時間以内に店頭に並ぶことは画期的だといいます。

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コメント

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6件のコメント

  1. 高山市には、何回も行きました。確かに高山の野菜は美味しい。小田急線に住んでる、私からみたら、羨ましい。

  2. 目から鱗が落ちました。ありそうで無かったのが不思議な事に気付かされました。
    順調に推移していけば日本全国で普及すると思います。各地に点在するアンテナショップへの地元名産品の輸送、大都市圏でしか入手出来ない(多くの売上が見込める=大量に仕入れる事でコストを下げている為に難しい)各種レトルト食品などの地方での販売促進が可能になるなど、予想や想定以上の広がりを見せるのではないでしょうか。荷物の急増で宅配業者が四苦八苦している現状も鑑みると宅配業者の負担軽減にも繋がるでしょうから、関係する法律の改正も含めて、官民揃って速やかに普及するようにすべきでしょう。
    東名高速バスで実施してくれれば東と西で味が違うと言われているカップ麺などの食べ比べがし易くなるんだけどなぁ。

    • 残念ながらこのケースは逆ですよ。高額な農産物をより高額で取引できる手段を低コストで実現するのが目的なのですから。
      人で運んで儲からなかったら商品運んで儲けよという単純な話。
      悪い話ではないが、夢のような話ではない。

  3. 裏返すと平日便はそれだけ空いているということと積載量からするとスーパーでも直送という値の張る商品に限られるだろう。貨客混載の本来の趣旨(物流の細い地域への合理的なインフラ確保)とは真逆な気がします。
    最近の京王グループはこういう所を履き違える事が多いように感じる。

  4. 収穫から30時間?だいぶかかるねえ。
    通常の物流ラインたともっとかかるのか?

  5. 運べる量と種類の事を考えると、あまり合理的とは思えない気がする。極端な高品質な野菜の輸送にも向いてないだろうし、量もいいとこ採算割れ寸前。PAやSA向け野菜とかならその手もあったか、と思うけれど、スーパーでも単価的にも他の市場から買った野菜とは勝負しにくいだろうし。あまり発展性が思い浮かばない(本格的な客貨同乗路線バスの開発、運用ノウハウの研究だとしても無理がある)