世界初 電動アシスト車いすに片流れ制御搭載 傾斜路面もまっすぐ走行 ヤマハ発動機

ヤマハ発動機が世界初という「片流れ制御」を、電動アシスト車いすに搭載。傾斜路面でもまっすぐ走ることが可能で、身体的・精神的な効果が期待されるといいます。「アシスト距離制御」も改良。価格は据え置かれました。

電動アシスト自転車「PAS」の技術を応用したユニットに

 ヤマハ発動機は2017年9月21日(木)、車いす用電動アシストユニット「JWX-2(ジェイダブリュエックス・ツー)」と電動アシスト車いす「JWスウィング」に、世界で初めてとなる「電動アシスト片流れ制御」を搭載したと発表しました。

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傾斜路面でもまっすぐ走る「JWスウィング」(乗りものニュース編集部撮影)。

 東京大学先端エネルギー工学専攻 堀洋一研究室との共同開発によるもの。通常、車いすは道が横方向に傾斜している場合、それによるトルクが発生し、傾斜方向に曲がっていきます。「片流れ制御」は、両輪に入力されたこぐ力の強さと、走行している車いすの車輪の回転数などから計算、打ち消しトルクを発生させ、傾斜方向へ曲がることなく直進させることが可能といいます。

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「電動アシスト片流れ制御」のイメージ(画像:ヤマハ発動機)。

 アシスト距離制御も改良され、使用者の体の状態や環境に合わせて、ひとこぎあたりのアシスト走行距離をより短く、あるいはより長く、細かな調整ができるようになったとのこと。従来モデル比で最小0.1倍、最大2倍だそうです。

「電動アシスト車いすを利用すれば、障害を有する高齢者であっても容易に、筋緊張を高めることなく、駆動することができます」(福祉技術研究所株式会社 代表取締役 市川 洌さん)

「個人の身体機能に合わせたアシスト制御設定が可能になり、努力性の代償運動を抑制して、より良質な身体運動を引き出すことが可能になります。安全で快適な移動手段として日常生活で使用することで、身体的・精神的な効果が期待されます」(独立行政法人国立病院機構八雲病院 理学療法室長 三浦利彦さん)

「新しい機能により多くの人の操作が容易になること、電動アシスト車いす使用による日常生活の移動運動が、身体機能の維持につながることを大いに期待しております」(アクティブバランスシーティング研究会 代表 西村重男さん)

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アシスト走行距離と、その設定のイメージ(画像:ヤマハ発動機)。

「JWX-2」は、電動アシスト自転車「PAS」の技術「パワー・アシスト・システム」を応用した、車いすのハンドリム操作の負荷に応じて電動の補助力が働く車椅子用電動アシストユニット。「JWスウィング」は、「JWX-2」を装着した電動アシスト車椅子です。

 これら機能を搭載した「JWX-2」「JWスウィング」は、9月29日(金)から発売。価格は据え置かれ、「JWX-2」は35万3160円(税込)から、「JWスウィング」は36万3000円(非課税)です。

【了】

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コメント

4件のコメント

  1. トルクスプリットのような技術、車椅子にこそ必要ですね、電子技術が障害者の方のアシストになるのは良いことです。

  2. 今に路面状況に合わせて加減速の調節ができる車椅子ができたりして。急な坂道でも一定の速度までしか出せない、とか、滑りやすい路面では減速、停止時のスリップを抑える、とか。

    • 言っては悪いのですが、健常者が逆に電子器機で行動範囲を自ら狭めたり、事故に遭遇したり、なかなか企業が需要の少ないところに力を注ぎにくいのが常ですが、今は何だか?制御に逆に抑制されてると言うか、やはり技術ってなぁー何人の広い行動範囲の為にあってほしいものだと思いますよ。

    • あくまでもこれは事故防止の観点です。急な坂道だったら自力で止まれず、それで事故ったら嫌だな、という意味です。健常者も障害のある人も安全に、という意味です。それだけは理解してください。