B737はなぜ売れ続けるのか 常時2000機飛行中のベストセラー機、変わり続けて半世紀(写真12枚)

後継機も盤石、最新型MAXシリーズへ

 ライバルのエアバスも黙ってはいません。2010(平成22)年にはA320の発展型A320neoをローンチし、各航空会社から受注を取り付けます。

 一方、ボーイングはベストセラーを記録したNGシリーズの後継機種として、MAXシリーズの開発に着手します。エンジンは従来のCFM56から、さらに燃費の良いLEAP-1Bを採用。ウイングレットは複合型の「スプリット・シミタール・ウィングレット」を装備し、燃費の向上が図られています。内装には787で採用されたLED照明を使用したボーイング・スカイ・インテリアを取り入れています。

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ランカウイ空港にアプローチするマリンドエアの737MAX8。翼端のスプリット・シミタール・ウィングレットが特徴的(2017年、石津祐介撮影)。

 2016年に737MAX8が初飛行し、2017年5月にはマリンドエアに初号機が納品されました。2017年のパリ・エアショーでは正式にMAX10をローンチし、シリーズの受注数は3700機を越え、ボーイング史上、最速の受注スピードとなっています。

軍用機でも活躍

 737シリーズは、その基本設計の良さから軍用機にも使用されています。対潜哨戒機P-3Cの後継機種として登場したP-8「ポセイドン」は、737-800をベースに作られておりアメリカ海軍、オーストラリア空軍とインド海軍が採用しています。また人員輸送機にも採用されており、737-700ベースのC-40は海軍向けのA型、空軍向けのB/C型が運用されています。

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横田基地に到着した対潜哨戒機P-8「ポセイドン」(2017年、石津祐介撮影)。
アメリカ空軍の高官輸送用C-40B。通信設備が強化されており、座席はビジネス仕様(2017年、石津祐介撮影)。

 このように、航空機の最も需要が高い小型機市場において当初は苦戦したものの、結果的に737シリーズはトップセールスを記録してきました。エアバスA320シリーズとの競争が、進化の原動力になったとも言えるでしょう。軍用機にも流用され、生産累計も1万機に迫る勢いですが、その時々のマーケットにおいて常に進化し続けきた737は、今後のLCCなど新興航空会社のマーケットにおいてもその数を伸ばし続けていくでしょう。

【了】

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Writer: 石津祐介(ライター/写真家)

専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。

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コメント

3件のコメント

  1. 他社のライバルどころか、自社製品(757)まで食っちまったw
    操縦資格が同じということが、エアラインにとって強みなのはよくわかった。
    大型2種ならなんでも運転できるバスとの違いだなw
    胴体が更に伸びて707相当になったら笑えるが、さすがにそれはないだろうな。

  2. CMF56-3B

    CFM56-3B

    typoでしょう

  3. P-8は洋上哨戒システムとしては及第点らしいが、数千メートルから数十メートルまで目まぐるしく高度を変え、しかも潜水艦最終探知に使用する(アメリカ海軍形では未装備だが)磁気探知飛行時には低空での高い機動性が要求される対潜哨戒機としては感心出来ないと言われていますがね(だから日本はP-1を開発した)。
    そりゃあB737は飛行機としてはまとまっているし、欠点はあまりないんですけれど。