最高の広告媒体はタクシー? 日本交通の「その人向け」広告流すシステムが大盛況
見せたい対象や場所に合わせて広告を流せるシステムが、日本交通グループのタクシーに設置されています。どのようなものなのでしょうか。
「顔認証」でその人向けの映像を届ける
鉄道やバスなどで、車両内外に各種広告が掲載されているのは珍しい光景ではありません。タクシーもしかりで、車体ラッピングやステッカー広告などが見られますが、そうした既存の広告とは一線を画す広告システムが、タクシーの車内に登場しています。
それは、タクシー前席のヘッドレスト裏に取り付けられた、タブレット端末による公告配信です。乗客から見れば、後席に座った際、目の前に画面があることになります。
これは動画広告を乗客に向け配信するといった目的のためのもので、都内最大手の日本交通(東京都千代田区)グループでは、その端末を独自に開発し、「Tokyo Prime」という動画広告商品としてほかのタクシー会社へも拡販することを計画しています。
「Tokyo Prime」は同社グループのタクシーに2016年から導入されているものですが、テレビCMのようにただ広告映像が決められた順番に放映されるわけではありません。乗る人や走行している場所に応じて、流す広告が異なるのだとか。日本交通グループのIT部門をになう子会社、JapanTaxi(東京都千代田区)に話を聞きました。
——乗る人や走行区間に応じた広告を流すといいますが、どのような仕組みなのでしょうか?
端末に搭載されたカメラで顔認識を行うほか、同じく端末搭載のGPSと連動し走行区間を判定し、それらに応じた動画を流す仕組みです。
——どのような経緯でタブレットを取り付けることになったのでしょうか?
2016年1月に実施した大塚製薬さんとのコラボレーションがきっかけです。都内を走る当社タクシーのうち約60台にタブレットを設置し、「ポカリスエット」のCM動画を流し、動画の最後に表示される「1本飲む!」というボタンをお客さまが押すと、500ミリリットルの「ポカリスエット」がもらえるというキャンペーンを期間限定で行いました。これがお客様からの評判も上々だったことから、日本交通の全車両で動画広告を流してはどうか、となりました。
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