新幹線に「安全神話」ありえない その言葉、使いたくない JR東海、大規模訓練実施(写真47枚)

「新幹線」について、その信頼性から「安全神話」という言葉が使われることもありますが、JR東海の新幹線鉄道事業本部長は、年1回の大規模訓練「総合事故復旧訓練」にあたって「ありえない」「使ってない」「使いたくない」と話します。

新幹線の「鼻」が2部品構成なワケ

煙が立ちこめる新幹線車内、脱線したN700A……。隣を「ドクターイエロー」が(56秒)。

「新幹線に『安全神話』はありえません。その言葉は使っていませんし、使いたくありません」(JR東海 新幹線鉄道事業本部長 勝治秀行さん)

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「救援併結準備作業訓練」のため「鼻」が外された700系新幹線(2017年11月29日、恵 知仁撮影)。

 日本の高速鉄道「新幹線」は高い安全性で知られますが、起こりうる災害や不測の事態に対応すべく、JR東海は毎年1回(台風で中止の年もあり)、大規模な訓練(総合事故復旧訓練)を実施。今年2017年は11月29日(水)、三島車両所(静岡県三島市)で約1200名が参加し、行われました。

 内容は「車内モニタを活用した列車火災初動訓練」や「脱線復旧訓練」、先頭車内部の連結器を出す「救援併結準備作業訓練」、切れた架線を修理する「トロリ線断線復旧訓練」、編成を途中で切り離す「列車分割訓練」など、全部で31項目。その途中、三島車両所の隣を走る東海道新幹線の本線を、“新幹線のお医者さん”「ドクターイエロー」が通り過ぎていく場面も見られました。

 ちなみに、内部に連結器が収納されている、700系やN700系の先頭にある「鼻」部分。2部品での構成になっていますが、これは1部品構成にすると重くなりすぎ、人力で「鼻」を着脱するのが容易でないため。このように2部品構成にしても、1部品は約20kgにもなるそうです。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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2件のコメント

  1. 結構だけどさ、現場の人達だいぶ疲れ気味のようだけど。
    こういうのはむしろ、現場の事情にとてつもなく疎い幹部の皆さん達も参加すべきじゃないの?JR九州は役員でも安全確認基本動作をやるらしいけど、御社は?

  2. リニアに「静岡県が反対」ありえない、その言葉使いたくない。

    リニアに「京都ルート」ありえない、その言葉使いたくない。

    リニアに「営業利益」ありえない、その言葉使いたくない。