JAL「コンコルド」の夢再び! 最新技術の超音速旅客機、米西海岸日帰り実現は意外と近い!?

JALにもあった「コンコルド」導入計画 なぜ断念したのか

 実は、JALでも1960年代に「コンコルド」やボーイング2707の導入が検討されていました。仮発注も行われ、JALの塗装を施した両機の模型も作られたほどでした。

 しかしその後、JALは「コンコルド」の発注をキャンセルし、ボーイング2707は製造元のアメリカで計画そのものが中止されます。「コンコルド」については、ほかの多くの航空会社も同様にキャンセルしたことで、最終的にはブリティッシュ・エアウェイズ、エールフランスの2社に量産機16機が納入され、生産が打ち切られました。その後、同機は2003(平成15)年にすべて退役しましたが、後続はなく、「超音速旅客機」は歴史の表舞台からいったん姿を消します。

「『コンコルド』導入を断念した経緯について、当時の記録は残っておりませんが、燃費が悪く運航コストが高かったこと、高運賃となりながらも客席数が多いことから、恒常的に座席利用率が低くなり、事業として成立しないためと認識しています」(JAL)

 JALは加えて、先述した騒音の大きさや、安全性への懸念についても指摘しています。それがなぜ今回、超音速旅客機の導入を目指すこととなったのでしょうか。

「技術の進歩により、安全で性能が良く、経済性のある機体の実現に挑戦するベンチャー企業が出現したことから、『移動時間短縮』という価値の創造に向け、その可能性を追求したいと考えたためです」(JAL)

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羽田空港のJALファーストクラスラウンジに展示されているJALカラーの超音速旅客機、ボーイング2707の模型。実機が日の目を見ることはなかった(2017年7月、恵 知仁撮影)。

 ブーム社が開発する超音速旅客機が技術的に安全を確保でき、かつ経済的にも実現可能と判断したからこそ提携に至ったようです。

 ブーム社はこの超音速旅客機について、2018年度中にデモンストレータ機の飛行を開始するとのこと。実機の就航時期は、早ければ2023年との情報もあります。アメリカ西海岸への日帰り出張が可能になる日は、思ったより早いかもしれません。

【了】

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コメント

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7件のコメント

  1. ベンチャーで型式証明取れるんかいな?

  2. どう考えても無茶すぎ。機体構造も空気圧縮熱にアルミが耐えるかどうかが微妙、針路変更や加減速や旋回、上昇下降にも時間がかかる(G対策)。燃費や航続距離も不可能に近いし整備点検にも手間隙がかかりすぎ。余談だが、鶴丸コンコルドらしい機体はかつての野球マンガ「アストロ球団」の少なくともラストシーンには出てきたような気が(あるいは他機の空似?)

    • 最も高温になるコーンと翼前縁はアルミではなく炭素複合材使うつもりのようです。
      温度は150℃程度らしい。

  3. 時代が進んでも科学技術の発達が切り開く明るい未来を阻むのは法律と経済の問題か

  4. 日帰り出張って、在来線のこだま登場時みたいに、車輌=機体が可能になるってだけの話でしょ? 
    誰かそんなアメリカ日帰り出張なんて、意味のないことするのかね?
    60年も経って、同じ論法はやめてよ。

    • しかも人数50人前後。コストパフォーマンス極悪。エンジンもアフターバーナー付き、内装も重量制限からお・も・て・な・し、とは真逆。開発した人の正気を疑う。

  5. 超音速機なんて時代遅れ。
    そんなもん需要はない。
    コンコルドやツポレフTu144の失敗から何も学んでない。