急坂のドーナツ形の凹みのワケ そもそもなぜ坂道はコンクリート舗装ばかりなのか

コストはアスファルトより高い?

――円形の凹みのついた舗装は、どのように施工しているのでしょうか?

 まず所定の場所にコンクリートをならし、バイブレータと呼ばれる振動機を用いて締め固めを行い、左官職人が表面を平滑に仕上げます。この時、直径14cmぐらいの「Oリング」を規則正しく配置します。
 
 その後、専用のマットで表面を覆って真空状態にし、コンクリート中の水の一部を吸い取ると同時に、大気圧でコンクリートに圧力を加えて養生します。こうすることで養生時間を短縮するとともに、コンクリートの耐久性を増すことができます。養生後、表面仕上げを行って「Oリング」を取り除くと完成です。

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坂道でのコンクリート舗装工事で、すべり止めの「Oリング」を配置している様子(画像:世紀東急工業)。

――坂道のコンクリート舗装は、アスファルト舗装と比べてコストや耐久性の違いはあるのでしょうか?

 坂道に限りませんが、一般的にはコンクリート舗装の方がアスファルト舗装より高価といわれています。しかし、長期の耐久性はコンクリート舗装の方がアスファルト舗装よりも優れているといわれており、建設後のメンテナンスも含めたライフサイクルコストを考慮すると、一概にどちらが優位とはいえません。

※ ※ ※

 世紀東急工業によると、コンクリート舗装のすべり止めではドーナツ形の凹み以外にも、大きなはけでコンクリート表面に「ほうき目」と呼ばれる筋をつける方法や、専用の機械で「グルービング」と呼ばれる細い溝を一定間隔で設置する方法もあるといいます。「ほうき目」は坂道に限らず平地でも用いられますが、急な坂道で大きなすべり止め効果を持たせたい場所では「Oリング」や「グルービング」が採用されているそうです。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 滑り止め効果を担保する手法として、コンクリートの上に拳ほどの石を適宜並べて乾かす手法も見かけますね。

  2. コンクリのほうがメンテに時間もコストもかからず、燃費も良くなるけど、養生までに時間が大幅にかかるから普通の道路では用いられにくい、と聞いたことがあるな

  3. もし、大雨が降った時に坂を歩くときは大変ですよね?

    そこで、この○丸印の役目が活用されます。

    これがあるによって、雨の水が脇に広がってくれます。