「電車修理代を稼がなくちゃ」から12年 再度の危機脱した銚子電鉄はいま(写真48枚)

「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」という異例の呼びかけで全国的な話題となった、千葉県のローカル私鉄・銚子電鉄。あれから12年の歳月を経て、いまはどうなっているのでしょうか。

副業「ぬれ煎餅」の収入で危機回避

 しょうゆの醸造で有名な千葉県銚子市内を走る銚子電鉄。JR総武本線の終点・銚子駅から関東最東端の犬吠埼付近を通り、漁港がある外川までを結んでいます。全長わずか6.4kmのローカル私鉄ですが、あることがきっかけで全国的にでも大きな話題になりました。

Large 20180422 01
犬吠埼付近の田園地帯を走る銚子電鉄の列車(2018年4月、草町義和撮影)。

 2018年4月13日(金)の午後、銚子駅から外川行きの列車に乗りました。2両編成の乗客は50人ほど。そのほとんどは家路につく高校生ですが、観光客らしき客も見られます。少ない人数ではありませんが、鉄道の利用者数としては多いとはいえません。

 列車は15時54分に発車。10年以上前に乗ったときは揺れが大きかったように思いましたが、今回は強い揺れを感じることはありませんでした。速度が最高でも40km/hと遅いせいもありますが、近年の車両の更新や線路の改修などで改善されたのでしょう。

 終点の外川駅には16時13分に到着。列車から下りた客の何人かは、古びた木造駅舎にカメラを向けています。いまとなっては珍しいレトロ感あふれる木造駅舎で、手入れも行き届いている様子。銚子電鉄のレトロな施設自体が、銚子の観光資源のひとつになっているといえます。

 銚子電鉄は利用者の減少などで、過去幾度となく経営危機に見舞われています。これまでは、たい焼きや銚子名物「ぬれ煎餅」の製造・販売など、副業の収入で鉄道の赤字を埋めてきました。

 しかし、2006(平成18)年には元社長が会社の借入金を横領した事件の影響で、運転資金が不足。事件が事件だけに自治体などからの補助も受けられず、車両の法定検査を行うための費用を捻出できない状況に陥ってしまいました。

 このままでは列車を運転できなくなる……銚子電鉄は同年11月、公式ウェブサイトに「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」と題した記事を掲載。会社の危機的な状況を切々と語り、ぬれ煎餅の購入などによる支援を広く一般に呼びかけました。

 鉄道会社の異例ともいえる呼びかけは、インターネットの掲示板やブログなどで話題になり、ぬれ煎餅の売り上げも急増。生産が追いつかず、一時は販売を中止するほどまでになりました。これにより車両検査費用のめどが立ち、当面の危機を脱したのです。

この記事の画像をもっと見る(48枚)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 2000形2002編成のデハ、京王特急カラーに戻してもらえたらいいなあ。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス