炎天下の車内、素早く冷やす方法 「対角線上の窓を開ける」は有効? エアコンはどう使えば

走り出したら「対角線上の窓を開ける」 時間は1分!

――走り出してからも窓を開けるとよいのでしょうか?

はい。対角線上に位置する前席と後席の窓を開けると早く換気できます。つまり前席の右側と後席の左側、あるいは前席の左側と後席の右側です。というのは、車体の周囲には走行風により、たとえばセダン型のクルマでは次のような圧力分布ができるからです。

・フロントピラー:強い負圧
・前席サイドガラス:フロントピラーに近いところはやや負圧~センターピラーに近いところはやや正圧
・センターピラー:やや正圧
・後席サイドガラス:センターピラーに近いところはやや正圧~リアピラーに近いところはやや負圧
・リアピラー:強い負圧
※正圧は外気から車体側に働く圧力、負圧はその反対。

 前席サイドガラスと後席サイドガラスは負圧と正圧が入り交じった状態ですが、同じ圧力ではありませんので。前後のガラスのあいだで流れが発生します。対角線上にある窓を開けることで、その流れが車室内中央部を通過するのです。10~20秒で換気され、空気の流れも気持ちよく快適です。

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走行中のセダン車における窓付近の圧力分布イメージ。対角線上に位置する窓を開けると、正圧(緑)から負圧(青)に風が流れる(乗りものニュース編集部作成)。

――エアコンを使う場合は、窓を開けながらのほうが温度を下げやすいでしょうか?

 いえ、窓ガラスを開けて走る場合、換気の効果があるのはせいぜい1分くらいでしょう。その後は窓を閉め、エアコンを内気循環モードで冷房性能を最大にして使うほうが効果的といえます。なぜなら、車室内の温度がなかなか下がらないのは空気の問題だけではないからです。シートやカーペット、ドアや天井のトリム、インパネなどなど、いろいろな部品もしっかり暖まっています。これらの熱容量は車室内の空気の熱量よりも大きいため、換気だけして車内を冷却できるわけではないのです。

 換気のために窓を開け、そのまま走行し続けると、せっかく冷却した車室内の空気を換気して捨てていることになり、エアコン動力が増えて燃費も悪化します。また、空気抵抗の影響もばかになりません。高速道路で窓を全開にして走ると、20%くらい燃費が悪くなるのです。

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コメント

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3件のコメント

  1. 対角線状の窓を開けると風が入ってきて髪がボサボサに…
    なんて事もあり得るので私は逆ですね。
    助手席側を開けてドライバーズシードの後ろを開けます。
    手早く換気するときはこちらの方が何かと良い面が多いと思う。
    フィルターの付いていないディーゼル車が隣を走ったり停車するときは逆にしたり締め切ったりしますけどね。

  2. 自分がするのは下記の2つ。

    ・停車したままでテールゲート(リアハッチ)だけ開けて、外気導入でエアコン使えば、車室上部に溜まった熱気が前から後ろにキレイに押し出される。1分も要らない。左右のドア開けるより効果的と思う。

    ・同じ側の前後マド開けて走り、車室全体の空気をグルっと入れ替える。対角線ではない。(対角線だと隅っこの熱気は滞留するかと思う。↑のxxxさんは運転席を滞留させてるかと)

    • 忘れてた。
      ・炎天下に駐車する時、マドを閉めきらずちょっと開けとく。(閉めきって停めてるクルマ多くなってる気がする。熱くもなるわな。)