【いまさら聞けない鉄道技術用語】「ボルスタレス台車」その特徴とメリットは
鉄道車両を構成する装置のうち、車体を支えつつ車両を走らせるのが「台車」です。現在の台車は「ボルスタレス台車」が主流ですが、この「ボルスタレス」とはどういうものなのでしょうか。
現在主流となっている台車の方式
長い鉄道の歴史の中で、台車もさまざまなタイプが登場しました。そのなかで、現在の主流となっているのが「ボルスタレス台車」です。
日本では1980(昭和55)年に営団地下鉄半蔵門線の8000系で実用化して以来、国鉄~JR、私鉄を問わず採用が進み、いまや新幹線はもとより、多くの電車、気動車、客車、そして機関車にも採用されています。
ただ、ボルスタレス台車という名前を聞いたことがあっても、その構造などは知らない人もいるかと思います。従来の台車と何が異なり、どのような特徴や利点があるのでしょうか。
そもそも「ボルスタ」って何?
ボルスタレス台車とはどういう意味なのでしょうか。実はその名の通りで「ボルスタ(bolster)」が「レス(less)」、つまりボルスタが無い台車のことを指します。では、ボルスタとは一体何なのでしょうか。
ボルスタは枕梁(まくらばり)とも呼ばれる台車の部品で、台車枠と車体の間にあります。また、ボルスタ台車の方式によって異なりますが、ボルスタの上、または下に枕バネ(空気バネ)が配置され、これらでボルスタ台車を構成します。
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Writer: 松沼 猛(鉄道ジャーナリスト)
1968年生まれのいわゆるブルートレイン、L特急ブーム世代。車両の形態分類と撮影、そして廃線跡が好きで全国各地を駆け巡っている。技術系から子ども向けまでさまざまな鉄道誌の編集長を経験。また、鉄道専門誌やウェブにも多数寄稿している。