【いまさら聞けない鉄道技術用語】「ボルスタレス台車」その特徴とメリットは

鉄道車両を構成する装置のうち、車体を支えつつ車両を走らせるのが「台車」です。現在の台車は「ボルスタレス台車」が主流ですが、この「ボルスタレス」とはどういうものなのでしょうか。

現在主流となっている台車の方式

 長い鉄道の歴史の中で、台車もさまざまなタイプが登場しました。そのなかで、現在の主流となっているのが「ボルスタレス台車」です。

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JR東日本E231系電車のTR246N台車は現在主流の「ボルスタレス台車」。台車枠の上に空気バネが搭載されただけという非常にシンプルな構造だ(写真:Studio EVO)。

日本では1980(昭和55)年に営団地下鉄半蔵門線の8000系で実用化して以来、国鉄~JR、私鉄を問わず採用が進み、いまや新幹線はもとより、多くの電車、気動車、客車、そして機関車にも採用されています。

 ただ、ボルスタレス台車という名前を聞いたことがあっても、その構造などは知らない人もいるかと思います。従来の台車と何が異なり、どのような特徴や利点があるのでしょうか。

そもそも「ボルスタ」って何?

 ボルスタレス台車とはどういう意味なのでしょうか。実はその名の通りで「ボルスタ(bolster)」が「レス(less)」、つまりボルスタが無い台車のことを指します。では、ボルスタとは一体何なのでしょうか。

 ボルスタは枕梁(まくらばり)とも呼ばれる台車の部品で、台車枠と車体の間にあります。また、ボルスタ台車の方式によって異なりますが、ボルスタの上、または下に枕バネ(空気バネ)が配置され、これらでボルスタ台車を構成します。

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新幹線200系電車のボルスタ台車。中央部にあるのがボルスタだ。この200系のボルスタは本来、空気バネとともに車体に取り付ける構造(ダイレクトマウント方式)になっている(写真:Studio EVO)。

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Writer: 松沼 猛(鉄道ジャーナリスト)

1968年生まれのいわゆるブルートレイン、L特急ブーム世代。車両の形態分類と撮影、そして廃線跡が好きで全国各地を駆け巡っている。技術系から子ども向けまでさまざまな鉄道誌の編集長を経験。また、鉄道専門誌やウェブにも多数寄稿している。

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