“攻撃力へ全振り”トンデモな発想で世界最大の戦車砲を取り付けた英国戦車現存1両が「動態展示」を実施

イギリスのボービントン戦車博物館は2025年8月12日、公式Xで1950年代の試作戦車であるFV4005が走行する映像を公開しました。

「虎の日」にティーガーIと一緒に公開

 イギリスのボービントン戦車博物館は2025年8月12日、公式Xで1950年代の試作戦車であるFV4005が走行する映像を公開しました。

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レストアされる以前に展示されていたFV4005(画像:ボービントン戦車博物館)

 この車両は界で唯一稼働状態にあるティーガーI重戦車であるタイガー131号車が登場する、9月20日開催の「タイガーデー」告知のために公開された動画です。

 同イベントには他にティーガーIIが登場し、ティーガーI、IIでのツーショット走行をするほか、マチルダIIやIII号戦車なども動態保存の車両が展示されるようです。その際FV4005も、多くの車両と共に、展示されると発表されています。

 FV4005は、ソビエト連邦のIS-3重戦車に対抗するべく、現在の主力戦車(MBT)の元祖と言われる「センチュリオン」のシャーシに、戦車史上最大級の183mm砲を搭載した戦車になります。車両の構想自体は第二次世界大戦中の1945年にソ連がIS-3を生産し始めた頃にスタートし、1950年11月頃には183mm砲を搭載した車両の本格的な試作が始まりました。

 同車両で特徴的なのが、火力に全振りした設計です。砲塔の装甲はわずか13mmのという小銃や軽機関銃の弾がギリギリ防げる程度の防御力しかもっておらず、ソ連戦車を射程外から遠距離狙撃して撃破することに重点を置いて設計された車両になります。

 しかし、砲塔は全周旋回ができず、射角は左右90度までに限定されたといいます。また、砲弾が大きく速度が比較的低かったため、横風の影響を受けやすく、最大有効射程2000mにおける実用精度は許容できないレベルだったそうで、発射速度も毎分わずか2発と非常に低速でした。

 そして開発中に、対戦車ミサイルが登場し、対戦車戦闘の手段が多様化したことを受け、1957年に計画は凍結されることになりました。

 1970年に王立軍事科学大学からボービントン戦車博物館に移譲された1両が、現存唯一の車両で、動態保存されているものでも唯一になります。動態保存になったのは2024年7月と比較的新しく、動く状態になるまでのレストアは、クラウドファンディングにより実現しました。

【当時同様姿に】クラウドファンディングによりレストアされたFV4005(写真)

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